6月はロサンゼルスとは思えない涼しい日が続いたが、7月に入りやっと夏らしい気候になってきた。夏本番を前にこの時季、日系コミュニティーに携わる人がまず思い浮かべるのは二世週祭ではないだろうか。
 夏の太陽と人々の活気が、祭の季節の到来を私たちに知らせてくれる。全米最大規模の日系コミュニティーを誇るロサンゼルスで行われる夏の祭典も今年で71回目。開幕に向け、各所でその準備が着々と進められている。
 祭りを壮大に盛り上げるパレードの音頭ダンスの練習も始まった。今年の振り付け担当は坂東三津拡師。先月下旬には日本舞踊各流派の代表者を対象にデモンストレーションが行われ、これから一般の練習も随時開催されるという。
 9日にはドジャースのジャパニーズ・コミュニティー・デーで、今年の二世週祭実行委員長マーク・ナカガワ氏や、二世クイーンらが、ドジャースに所属する黒田投手と交流を楽しみ、オレンジ郡仏教会の「大音太鼓」が和太鼓演奏を披露。スタジアムには太鼓の迫力ある音が鳴り響き、観客をわかせた。普段日本文化に触れることがなく、初めて和太鼓を聴くアメリカ人の観客も、お腹の底まで響く太鼓の迫力に圧倒され、歓声をあげていた。これを機会に、二世週祭に足を運んでくれる人が増えたらいい。
 自分のアイデンティティーである日本文化が、違うアイデンティティーを持つ人々に受け入れられ、驚きや感動を与えているというのは嬉しいものである。
 そんな日本の伝統文化が1カ月にわたり小東京で披露され、ロサンゼルスにいながら「日本の夏祭り」を感じられる二世週祭。昨年ロサンゼルスに移り、初めて二世週祭を知った私は、ねぶたパレードで笛と太鼓の音頭に合わせぴょんぴょん飛び跳ねる「はねと」に挑戦した。ねぶたは見ているだけでも美しいが、せっかくの機会に、傍観者ではなく実際に体験してみるのも祭りの楽しみ方のひとつではないだろうか。今年の二世週祭はどんな盛り上がりをみせるのか、期待したい。【吉田純子】

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