今年に入ってから約半年間、インフルエンザ、喘息、ぎっくり腰を繰り返し、全く調子が上がらない日々が続いた。年間の病気休暇はあっという間に使い果たし、有給休暇も減る一方。休みがちのため、仕事のペースも乱れ、パフォーマンスは過去最低。やる気も起きず、上司に呼び出される始末。2月から始めたダイエットも効果が上がらない。悪いことばかり続くので精神的な余裕もなくなり、毎日イライラしていた。
 ところがあることがきっかけで体調は回復し、仕事も上向きになり、ついに出産後1回も履けなかったジーンズがするすると入るようになり、これまで何度連絡しても適当な理由をつけてのらりくらりとかわしていた知り合いが借金を返済しに来たのである。
 きっかけとは、筆者の一方的な思い込みで、信用している仕事仲間に勝手に裏切られたと思っていたことが、実は単なるミスだったことが判明したことである。そもそもその出来事が起こったときに、本人に問いただせばよかったものの、「こんなことをするのはわざとに決まっている」と思い込んだために、その仕事仲間とは半年間ほとんど口を利かずに、恨みだけが募っていった。しかし、数カ月後、別の仕事仲間との会話で、故意ではなかったことが分かり、ようやく本人に確認したところ、直ちに訂正してくれた。終わってみれば、全くの一人相撲で恥ずかしい限りだが、精神的に不安定だとどうしても悪い方向へ考えてしまいがち。
 ふと本棚に目をやると以前このコラムでも紹介した「引き寄せの法則」の本が目に入った。よく考えれば具合の悪い半年間はほとんど手に取ることもなかった。ページをめくると、そこに書かれていることは特別なことではなく、親や尊敬する友人がよく口にする言葉ばかり。「物事の発端は常に自分にある」「自分が喜ぶことを他人にもしてあげなさい」「できることではなく、やりたいことをやりなさい」「病は気から」等等。悪いことが続いてもいつでも流れは変えることができることを痛感した体験だった。【下井庸子】

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