カリフォルニア州では財政難から教育関連予算が削減され、授業料の引き上げが行われているにもかかわらず、カリフォルニア大学機構(UC)の2012年秋学期の入学志願者の数が昨年より増加していることが最新の調査で明らかになった。
高校を卒業したばかりの新入生で、UC大学機構への入学志願者数の合計は19%増の12万6300人。うち加州在住者は昨年より9・8%増の9万3300人。
新入生で加州以外の地域からの志願者(留学生も含む)の合計は昨年比56%増の3万3000人と、加州在住者より授業料が高いにも関わらず増加。うち加州以外の州からの入学志願者(米国人)は約50%増の1万9128人。留学生だけに限ると、66・4%増の1万3873人となり、中国、インド、韓国、カナダからの志願者がもっとも多かった。
UC大学機構では今年度、度重なる教育予算の削減を受け、州内からの学生より高い授業料徴収が見込める加州以外の地域からの新入生を約12%増やした。特にバークレー校(UCB)、ロサンゼルス校(UCLA)、サンディエゴ校(UCSD)で実施し、その数はUC大学機構に通う大学生全体のおよそ7%を占める。同大学機構は加州民から、同州在住の学生の入学枠が狭くなるとの批判を受けようとも、州外からの学生数を今後全体の10%まで増やしたいとしている。
UC大学機構の中でもっとも志願者数が多かったのはUCLAで、昨年比12・7%増の9万1512人。うち新入生は18・1%増の7万2626人。留学生を含む加州以外の地域からの新入生志願者は57・8%増した。
人種別に見ると、昨年に比べメキシコ/ラテン系15・6%、黒人13・7%、アメリカン・インディアン12・9%、アジア系6・8%がそれぞれ増加。白人は2・3%減少した。
UCLAの次に新入生の入学志願者が多かったのはUCBで16・5%増の6万1661人。続いてUCSDが13・8%増の6万819人となった。
UC大学機構は、標準テストの結果で判断される大学入学基準を下げたことが志願者増加につながったと分析している。
一方、同大学機構への編入志願者数は6%減少。UCLAへの編入志願者は4・3%減った。コミュニティーカレッジに通う学生にとって、UC大学機構に編入後、さらに高い授業料を払うことへの懸念が表れていると大学進学の専門家は述べている。