サンフランシスコの連邦控訴裁は7日、カリフォルニア州の同性婚禁止法は違憲であるとの判決を下した。
裁判官3人のうち2人は、2008年に住民投票で承認された同性婚を禁止する「Proposition8(提案8号)」は、同性愛者の基本的人権を侵害し、結婚の機会を平等に保証した米国憲法に違反するとした。
カリフォルニア州の同性婚をめぐっては、州最高裁が08年5月にいったんは同性婚を合法とする決定を下し、同年6月に同性婚は州法で認められた。この時期に約1万8000組の同性カップルが結婚した。
しかし、同性婚反対派は「婚姻は異性間に限定する」とする「提案8号」を同年11月の住民投票にかけた。同提案は52%の賛成過半数で承認され、同性婚は再び禁止された。これを受け、2組の同性カップルが連邦地裁に提訴するなど、加州の同性婚をめぐっては二転三転の展開が続いていた。先に結婚した1万8000組のカップルの婚姻は有効とされた。
平等の原則を主張する同性婚支持派に対し、反対派は伝統的な家族観を破壊すると反論しており、今回の判決に大きな注目が集まっていた。控訴裁前には同性婚を支持する人々が集まり、判決を聞くと抱き合いながら喜ぶ姿があった。
同性婚支持派のスチュアート・ガフニーさんは「提案8が米国憲法を犯していることが証明されてうれしい。08年の住民投票以来、同性のパートナーとの結婚が果たせなかった友人とともにお祝いしたい」と語り、判決を喜んだ。一方、反対派は連邦最高裁に上告する意向を示している。
米国では現在、全米50州のうち30州が州憲法で同性婚禁止を明文化。首都ワシントンのほか、東部のマサチューセッツ、ニューハンプシャー、ニューヨークなど計6州で同性婚が合法化されている。