小東京の9区残留を訴えるユニオン教会のイー牧師と、立ち上がり賛同の姿勢を示す同教会メンバー

 

小東京の9区残留をあらためて訴えるLTCCメンバーのハシモトさん

 10年ごとに実施される市議会区境界線の再編成で5、6、7の3日間にわたり、サンペドロ、バンナイス、ロサンゼルス・ダウンタウンで公聴会が開かれ、市民は最後の望みをかけそれぞれの意見を述べた。これらを参考に、市議会議員は16日(金)に地図の最終表決を行う。
 7日午前に開かれた市議会全体会議には、終始「13区内にまとめて」と訴えてきたウィルシャー・センター・コリアタウン近隣連盟(WCKNC)から約200人の市民が集結。10区と13区に分割された地図にあらためて反対を表明した。
 多くの市民が反対意見を述べているにもかかわらず、地図が変更されないことを受けWCKNCのグレース・ユー代表は、「市民の意見を聞いていない」と市議を前に一蹴。再編成委員から提出された市民からの反対意見書を持参、市議全員に熟読するよう手渡した。
 ユー代表は、地図の草案は①法の平等保護条項②地域は分散させずひとつにまとめると州の認定の規定―に反していると指摘。10区のアフリカ系票を現行の43%から50%以上に引き上げるために仕組まれた「裏口取引」だと非難。訴訟の準備を進めているとあらためて述べた。
 夕方の公聴会には、コリアタウンをはじめ、8区と11区に分割されたウエストチェスター、14区に吸収された小東京をはじめとするダウンタウンらの代表数百人が集まり、ハーブ・ウェッソン市議会議長、トム・ラボンジ市議、ホゼ・ウイザー市議、ミッチェル・イングランダー市議、ジョー・ブスカイーノ市議を前に、約120人の市民が意見を述べた。
 小東京からは、ユニオン教会のティム・イー牧師、小東京協議会からフランシス・ハシモトさん、ビル・ワタナベさん、ジェームス・オカザキさんらが出席。
 オカザキさんは、サウスロサンゼルスと小東京は長年にわたり親密な関係を保っており、ともに9区へ残留を希望すると述べた。ハシモトさんは、ジャン・ペリー市議の理解と支援の下、やっと9区に活気が戻ってきたところだと述べ、「われわれを9区から引き離さないでほしい」と懇願した。
 8区のバーナード・パークス市議と訴訟の準備を進める9区のペリー市議は、「スキッドロウ、サウスロサンゼルス、小東京、ダウンタウンの市民らは昨年から地図に懸念を提起してきたにもかかわらず、彼らを無視し続けた。資料に『一部のダウンタウン住民は14区を望む』とあるのは、14区の住民から寄せられたもの。ダウンタウン住民の3分の2は9区残留を要望しているにもかかわらず、その記述もない」と語気を強め、正確性に欠けるとして、公聴会で集まった市民の意見を見直すよう求めた。
 この他市民からは、ウェッソン議長が決定した「再編成地図表決日程」に疑問の声も上がった。市議会での表決の期日は法的に7月1日まであるにもかかわらず、今月16日に設定。ウェッソン議長は、表決後に検事局やエンジニア局などが必要な書類を作成しなければならず、それらに時間を要するためと弁明した。
【中村良子、写真も】

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