一方で吟士の高齢化が進んでいることから、今後は若い世代にも詩吟の魅力を伝えていくことが課題だという。9月2日に70周年記念大会を控え、同会長は「このめでたい気持ちを大会につなげていきたい」とし、あいさつの言葉を述べた。
議会勲章を受章した正原さんは、1957年から詩吟を始めた。「父親をはじめ家族みんなが詩吟をしていたので、ごく自然にこの世界に足を踏み入れた」と振り返る。
望月さんは、亡き妻が師範だったこともあり3年前から始めた。「日系2世なので、日本語は難しい」としながらも、漢字や歴史についても学べるので、日々勉強になっているという。
5年前に他界した田治国英さんに代わり、この日は妻の英子さんが出席。本人は帰米2世だったこともあり、日本にいた時から詩吟に興味を持っていたという。
正原さんと望月さんは11月に首都ワシントンで行われた受章式にも参加。政府からは当時の勇敢な戦闘ぶりをたたえられ、手厚くもてなされたという。両氏はその栄誉をかみしめるとともに、吟友からの温かな祝福に感謝の気持ちを述べた。
総師範に昇格した大東さんはマンザナー強制収容所に入所した18歳の時に入会した。当初は60人ほどの生徒数だったが、次第に人数は増え、200人を超えるほどまでになった。「同会の歴史とともに詩吟の道を歩んできた」と語り、これからも日々精進していくことを誓った。
2010年度に農事有功章・緑白授有功章を受章した橋本さんも吟友からの祝福を受け、喜びを心に刻んだ。
吟士らは仲間を祝福するとともに、70周年記念大会に向けさらに団結し、気持ちを新たに練習に励むことを約束し、再会を願った。【吉田純子、写真も】