メトロ理事会は26日、リージョナルコネクター事業(メトロレール接続)の環境アセスメント(EIS/EIR)最終版を、12対0の全会一致で承認した(欠席=マーク・リドリー・トーマス郡参事)。今後は設計・デザイン段階へ入り、早ければ2013年に着工する。
承認を受け、小東京協議会(LTCC)の岡本雅夫議長は、「一歩前進。第2段階のスタートポイント」と述べ、今後は、「(地元ビジネスを守るための)マーケティングや損害補償に関してさらにメトロとの話し合いを詰めていくことが大事」とした。
このほど承認されたEIS/EIR最終版には、LTCCはじめ小東京が訴え続けてきた①工事中に必要なビジネスマーケティングのための費用捻出②工事中に発生した損害に対する迅速な補償③シャトルバス起用などといった駐車場問題対策―が含まれるほか、工事中のトラブルやビジネスからの懸念などに対応するため、現場にメトロ関係者を常勤させることや、コミュニティーとメトロの代表者でリーダーシップ協議会を発足し、話し合いの場を定期的に設けることなども含まれた。
2月に行われたメトロ設計製作委員会(Planning and Programming Committee)のミーティングでは、ファイナンシャル・ディストリクトやジャパニーズ・ビレッジ・プラザの代表者から工事手法に対し懸念の声が上がり、理事会は3月に予定していた最終決議を延期、両者と協議を続けていた。メトロはファイナンシャル・ディストリクト側に妥協案を提出したものの合意には至らず、両者は設計・デザイン段階でも引き続き協議していくという。
リージョナルコネクター事業は、ブルーラインとエキスポラインが通る「7街/メトロセンター駅」と、ゴールドラインの「小東京駅」を約2マイルにわたって結ぶ、13億7000万ドルをかけた地下鉄事業。設置駅は、「1街/セントラル」「2街/ブロードウエー」「2街/ホープ」の3駅。
開通後は、カルバーシティーからイーストロサンゼルス、モントクレアからロングビーチまで乗り換えなしで行くことができ、1日約9万人の利用客を見込む。
同事業の詳細は―
www.metro.net/regionalconnector
この日はまた、コリアタウンのウィルシャー/ウエスタン駅が終点のパープルラインを西に8・9マイル延長する「パープルライン地下鉄延長事業」のEIS/EIR最終版も協議され、ウィルシャー通りに沿って、ラブレア、フェアファクス、ラシエネガまでの3・9マイルの1期事業を承認した。ラシエネガからセンチュリーシティーまでの2期、ウエストウッドまでの3期は、ビバリーヒルズコミュニティーから依頼された公聴会後に承認する予定。
同事業は住民投票で可決された提案Rから捻出される資金で建設され、予算は56億6000万ドル。1期は2020年、2期は26年、3期は36年に開通予定。一日約8万人の利用客を見込む。
同事業の詳細は―
www.metro.net/projects/westside/
【中村良子、写真も】