この日出されたホタテを使った料理は、チャウダースープ、カルパッチョ、季節の野菜ソテー、炊き込みご飯の4品で、さまざまな人種のグルメが住むロサンゼルスらしく、和食材のみならず、現地の食材とともに調理され振る舞われた。
料理は、寅福・播川哲也さんと、ブレントウッドの和食店「TAKAO」の出水田孝男さんが考案し自らが調理。ベテランの両オーナーシェフは、和の伝統に重きを置きながら、和食以外の食材も取り入れ、独創するスタイルを同じくする。
2人は、プロの視点から北海道産のホタテについて説いた。播川さんは「生で食べても甘みを楽しめるが、火を通した半生やソテーもいいし、唐辛子やバター、椎茸など他の野菜と和えてもいい」と、工夫次第でさまざまな食べ方ができるホタテの多様性を強調。
漁連による販促は、中国、香港、台湾、シンガポールなどで行っており、今回が初という米国は世界での販促の一環。北海道産のホタテの3割が輸出され、その主体が米国であるため重要国ととらえている。加瀬さんは、ロサンゼルスで試食会を開いた理由を「日本文化が少し浸透しているので選んだ。(今後は)カリフォルニア、西海岸を拠点に東海岸で行い、全米に広げたい」と、巨大消費地でPRを展開する。
海の幸の宝庫「北海道」の名は、ブランドとして国内はもとより、近隣のアジア諸国でも確立しているが、米国では無名。高級品として、今後のブランド、イメージ作りについて「われわれが、まじめに生産・加工(とれ立てを急速凍結)し、流通、販売に至るまで品質管理し、おいしいホタテを届けていることをアピールしたい」と述べた。寅福の他、トーレンスのマルカイと海鮮料理店でもキャンペーンを行い「想像以上に反応がよく、びっくりした。これを機にさらにみなさんに伝えたい」と力を込め、さらなるキャンペーンに意欲を示した。【永田潤、写真も】