野球ファンにとって待ちに待った大リーグが開幕して2週間。球場に足を運んで声を張り上げて応援したり、自宅で家族とゆっくりと、またはスポーツバーでビールを飲みながらワイワイ、ガヤガヤなどと、思い思いの観戦スタイルを楽しんでいる。選手は期待に応え、熱戦や好プレーを演じている。今年は夏にロンドン五輪を控えているだけに、よりいっそうの奮起に期待が掛かる。
 そんな中、われわれ在米日本人にとって気になるのが、日本人選手の活躍。投手、野手ともに日本選手が大活躍し、栄華を極めた数年前までと今では、状況は大きく異なり、ハラハラ、ドキドキしながら祈るような気持ちで見ている人も多いことだろう。
 その中で一番の注目は、やはり何と言っても、破格の入札金+契約金で話題をさらい、日本ハムからレンジャーズに入団したダルビッシュだ。米メディアも一挙手一投足を追いかけ、その取り上げ方は、実績のあるイチローをしのぐほどである。最多勝、最優秀防御率、沢村賞などを取り、日本屈指の投手だが、デビュー戦は打ち込まれ、味方の援護で何とか幸運な勝ち星を得たものの自他ともに納得はしていない。滑りやすいメジャーの球の扱いに苦慮しているそうで、メジャー野球への適応が急がれる。
 日本人野手は、ケガなどによる不振など受難続き。一昨年、日本でともに200安打を記録した西岡と青木。西岡は開幕前にマイナーに落ちたため、際立った活躍を見せなければメジャーに上がることはできない。青木は時々の先発と代打で結果を残すしかなく、勝負強い実力を発揮できる機会は限られている。
 イチローに憧れマリナーズ入りを希望した川崎は、マイナー契約から這い上がり、晴れて開幕メジャーを果たした。だが、少ない出場機会の中で結果を出さない限り、レギュラーのポジションを奪うことは難しい。元気なムードメーカーらしいが、プレーする上での厳しい立場には変わりはない。
 そして今、一番辛い思いをしているのは、松井だろう。所属先が決まらず毎日、1人黙々とひたすらバットを振り続け、声が掛かるのを待っているらしい。昨年、手術を受けた松坂の復活も待たれる。【永田 潤】

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