ロサンゼルス郡衛生局が4月に行った調査で、ロサンゼルス・ダウンタウンのスキッドロウ地区の衛生状態が極めて悪いことが分かったことを受け、ロサンゼルス公共事業局は19日、同地区の一斉清掃作業を開始した。
LA郡衛生局はLA市に対し、同地区が衛生規範に違反していると指摘。同市のビヤライゴーサ市長の呼び掛けにより、清掃作業が実施されることになった。
スキッドロウは小東京の南側に位置し、南北を3街と7街、東西をアラメダ通りとメイン通りに囲まれた地区で、全米でもっともホームレス人口が多いエリアとして知られている。
清掃作業は5街と7街の間、グラディーズ・アベニューとウォール・ストリート付近を中心に行われる予定で、最長で3週間続くと見込まれている。調査時には、同地区で多くのネズミの巣が発見されたほか、覚せい剤の投与に使われたとみられる皮下注射針なども歩道でみつかっていた。
また5月にロサンゼルス市検察局に提出されたレポートによると、同エリアの歩道にはゴミが散らばり、テントを張って動物と共に生活する人の姿も多く、伝染病が発生する危険性が高いことも指摘され、衛生面の悪化が懸念されていた。
パトリシアと名乗るホームレスの女性は、防護服と手袋を着用した清掃員に「なぜ毎週清掃しないの」とたずね、「メイン通りやロサンゼルス通り、ブロードウエイ通りでは毎週清掃が行われているのに、彼らと私たちのストリートでは大きな違いがある」と訴えた。