カリフォルニア州立大学(CSU)が過去1年間で、同大学機構が所有する学長宅の改築費用として、教育関連予算と民間資金からの資金およそ100万ドルを使っていたことが明らかになり、批判の声があがっている。
同大学機構の学長には邸宅が提供され、23校中、11校の学長が現在住んでいる。
加州では財政難が深刻化し、赤字財政の解消を目的に教育予算は減らされ、授業料の引き上げや教職員の解雇、クラスや各種教育プログラムの削減などが行われてきた。こうした事態の中で教育予算が学長宅の改築工事にも充てられていた。
残る12校の学長は各自が所有する自宅に住んでいるが、その一方で年間およそ5万ドルから6万ドルの住宅手当を受け取っているという。
改築費用の中には公的資金だけでなく、民間からの寄付金も含まれているが、今年度だけで7億5000万ドルの州教育予算が使われ、このままいけば来年度にはさらに2億5000万ドルが改築費用として消えていくとされている。この費用は、年間で153人に対する奨学金、または183クラス分の授業数に相当する。
同大学機構の広報担当者は、「学長宅は数百人の招待客を招いて行われる資金集めイベントの会場となるため、改築工事は避けられない」とし、必要性を訴えた。
CSUサンディエゴ校のエリオット・ハーシュマン学長は大学所有の邸宅に住み、基本給40万ドルのほか、改築費として25万7000ドルが支給された。邸宅で催される資金集めのキャンペーンイベントでは1週間でおよそ100万ドルを集め、自費およそ10万ドルをキャンペーンに投資したという。
サンディエゴ校のほか、改築工事が行われた学長宅はサンルイオビスポ校、ノースリッジ校、フラトン校の計4校。
加州教職員連合の代表者は、貴重な州予算を改築費用に使うのではなく、大学所有の学長宅を売却してでも教育予算を捻出すべきだと主張している。