7月に入り、ピクニックシーズンが到来した。この時季になると郷土料理を堪能し、同郷人との交流や、故郷の伝統芸能にも触れられるとあって、毎年楽しみにしている日本人も多いことだろう。また先祖ゆかりの地に思いをはせる日系3世、4世も多いのではないだろうか。
 各県人会が開催するピクニックだが、率先してリーダーシップをとっているのは若い世代よりもむしろお父さん、お母さん世代、もしくはすでに孫がいる世代の人が多いような気がする。南加地区には、若者がびっくりするほど元気な先輩方が多い。
 先日、北米沖縄県人会のピクニックに伺った際、沖縄や日系人についての著書があるノンフィクション作家の下嶋哲朗さんにお会いした。訪米中の同氏は、同県人会のピクニックを楽しみにしていたという。その理由のひとつが「元気な高齢者に会えるから」だったという。
 たしかに南加地区には元気な高齢者が多い。以前敬老引退者ホームの最高齢の入居者は99歳だと伺った。80代のある入居者は他州からひとり車を運転してロサンゼルスに来たというから驚きだ。
 2010年度の国勢調査の結果によると、米国には90歳代がおよそ200万人いるという。その数は1980年調査時の3倍にのぼる。
 また加州ではアジア系と中南米系の55歳以上の人口増加率が、白人の同世代に比べ3倍以上の早さで増しているという。
 その背景には移民の高齢化が挙げられるのに加え、アジア系はその食習慣が長寿に影響を与えているとの見解がある。
 今日本では、長寿のために、日本の伝統的な調理法に基づく野菜中心の食生活と、食事の際は腹6分目までを心掛けるといったことを推奨する書籍がベストセラーになっているという。
 私が元気な高齢者の方々から伺った長寿の秘訣は、「とにかく小さなことでくよくよ悩まないこと」。そして「カリフォルニアの青空の下では悩みなんてすぐに忘れる」と、多くの人が笑顔で付け加えていた。
 ピクニックはそうした青空を満喫できるせっかくの機会。長寿にも一役買ってくれること間違いなしだ。【吉田純子】

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