同県人会では毎年ピクニックで大学進学を控えた学生に奨学金を贈っており、今年はカースティン・ルーさん、アン・ミトマさん、ケイトリン・シミズさんの3人が受賞した。
デューク大学に進学予定のルーさんは、専攻はまだ決まっていないが、趣味の水泳やバスケットボールを今後も続け、同県人会のイベントにも積極的に参加していきたいと語った。
ペパーダイン大学の数学科に進学予定のミトマさんの夢は、ベーカリーショップを開店すること。大学で学んだ計算方法を大好きなカップケーキ作りの計量に生かし、美味しいケーキを作るのが目標だという。
シミズさんはカリフォルニア州立大学サンノゼ校でグラフィック・デザインを学ぶ予定。シリコンバレーのコンピューター会社に務めるのが夢で、今後もさらに県人会メンバーとの交流を深めていきたいと意気込んだ。
日本語を話さない日系3、4世が増えるのを受け、同県人会では早くから英語を取り入れ、会長職も日本人ではなく、日系人が務めるようになった。
各行事が主に英語で進行されるため、若い世代のメンバーが著しく増加。ピクニックのエンターテインメントでも、これまでの「炭坑節」や山口県民謡の「岩国よいとこ」を踊るだけでなく、軽快なリズムに合わせて列になって踊る若年層向けの「ラインダンス」も加わり工夫を凝らしている。
昼食をはさみ、カラオケではメンバーが自慢の歌声を披露。恒例の餅まきでは、必死に飛び上って紅白の餅を取ろうとする子どもたちに交じって、はしゃぎながら餅拾いに専念する大人たちの姿もあり、世代を超えて交流を楽しんでいた。
同県人会では会費を集めておらず、各行事で催すラッフル抽選会のチケットの売り上げだけで運営を行っている。その背景にも、若い人が寄付をしない傾向があり、そのことを理解しての判断だった。こうしたことが功をなし、英語世代への移行に成功、各行事で若い世代の参加者が増えているという。
フクハラ会長は「ピクニックに来てくれた人はすべてわれわれのメンバー。ぜひ友人を誘ってこれからも参加し、仲間を増やしていきましょう」と呼び掛け、誰でも気軽に楽しめる県人会になることを望んだ。
またこの日は、LA市議会選に9区から立候補し現在資金集めを行っているロサンゼルス市警察の副本部長で祖母が山口県出身という日系3世のテリー・ハラ氏も訪れ、参加者たちと束の間の交流を楽しんだ。【吉田純子、写真も】
