同プログラムは、バブル経済崩壊後の「関西の地盤沈下」を憂えた関西クラブのメンバーが発案。「関西の活性化」を図る目的で郷里の将来を担う若者を当地に招き研修させるもので2003年から始まった。論文と面接で研修者が選考されている。
今回は、10回を記念し特別行事を企画した。トーレンスでチャップマン大の英語学部の孫崎玲准教授の講演会(約60人参加)を開き、来月6日には大阪で過去のプログラム参加者計22人を集めた懇親会を持ち、住山実行委員長らメンバーが訪日する。
本田さんは、企業回りで日本人の活躍を肌で感じた様子で「日系の1世と2世が、頑張って社会的地位を上げたことを学んだ」と話した。矢島さんはコロラドとフロリダに滞在した経験があるが、LA在住の日本人の数の多さと日系スーパーの品揃えの多さに驚いたという。「新聞や雑誌、テレビ、ラジオの媒体もあって、日本のコミュニティーが発展している。各民族が自分たちのコミュニティーを作り、それらが集まって1つの国家を形成しているように思えた」と述べた。
2人は来春の就職が決まっており、研修ではそれぞれの専門分野での見学に興味を示し、日米の違いを見出した。本田さんは、障害者の就業を斡旋する非営利組織で働く。オレンジ郡ラグナウッズのシニアタウンを見学し「ボランティが楽しんで働いていたのが印象的だった。日本でも楽しみながら支援をしたい」と抱負を述べた。矢島さんは、ユニバーサルスタジオ・ジャパンに就職する。同じエンターテインメント産業である、ハリウッドにある音楽の専門学校「ミュージシャン・インスティチュート」を訪れ会長の渋谷尚武氏と面会した。同氏のビジネスの成功に刺激を受け「すごい日本人がいると知った。(カリスマ性のある)独特の雰囲気の中で話を聞き『何事も一生懸命すること』と何度も教えられてよかった」と語った。
住山実行委員長は、今回の研修について「非常にタイトなスケジュールだったが、2人にとって実地の研修が新鮮だったようで、海外で積極的に学ぼうとする姿勢を見せてくれ、こちらとしてもやりがいがあった」と総括。「今回学んだことを生かしてほしい。将来に期待したい」と願った。【永田 潤】