車社会アメリカ。特にロサンゼルスは無数のフリーウエーが交差し、通勤にも多くの人が車を利用する。
 しかしひとたびフリーウエーに入ると危険な運転をする車もあり、ヒヤヒヤする場面が多々ある。こうした日常の中でわれわれは、常に安全運転を意識しなければならない。
 先日、カリフォルニア州で新たな問題が見つかった。それは同州で薬物運転する人の数が飲酒運転を上回ったというもの。
 2010年の統計によると、同州で交通事故で死亡した人のおよそ30%が薬物検査で陽性反応が出ていたという。
 さらに先週公表された加州9都市およそ1300人を対象に行われた調査結果によると、約14%が薬物検査で陽性反応が確認され、その数は飲酒運転者より2倍以上多いことが分かった。その半数がマリファナを吸引しており、マリファナと別の薬物、またマリファナとアルコール両方を喫飲しているケースもあったという。
 調査では、処方箋薬や市販されている薬を服用した人にも運転に何らかの支障が出ていたことも分った。その一例が、睡眠薬「Ambien」。
 同薬はこれまでにもいくつかの交通事故に関連しており、今年6月にジョン・ブライソン前商務長官がサンゲーブルで起こした2件の当て逃げ事故も、その2週間後に起こったケネディ元大統領の姪ケリー・ケネディ氏が起こした交通事故でも、その後の検査で両者からアルコールではなく同薬が検出されていたことは記憶に新しい。
 こうした中、加州は薬物運転者を取り締まるための特別訓練を積んだ警察官を増員し、薬物運転を減らすための対策を進めている。これまで血液検査の結果なしに運転者が薬物運転をしていたか否かを法廷で証明することは困難だったが、こうした特殊訓練を受けた警察官の証言は法廷でも通用する証拠になるという。
 しかし何よりもまず、われわれ一人ひとりが薬物が自分だけでなく、他人の命をも脅かす凶器になるということを認識しなければならない。【吉田純子】

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