小東京を中心としたロサンゼルスの日系社会は、2013年に任期満了により退任、市長選に立候補しているロサンゼルス第9区のジャン・ペリー市議と同オフィスのスタッフに対する感謝会を11月29日、日米文化会館で催した。小東京協議会(LTCC)と日米文化会館(JACCC)の共催。
同会館のガーデンルームを埋め尽くしたコミュニティー・メンバーらは、01年に第9区を代表する市議に選出されて以来、過去11年間にわたり小東京の代表として、友として、また家族の一員として、日系社会のために尽力したペリー市議に感謝の言葉を述べた。
「市議になる前から、小東京が大好きでした。そして小東京のみんなも、私の気持ちに応えてくれた」―。部屋を埋め尽くした日系社会の仲間を前に、涙を流しながらそう述べたペリー市議は、大学生の時、母親がアリゾナ州ポストンの日系人強制収容所に収容されていたという友人とよく小東京を訪れ、アリゾナ州では手に入らないものを買っていた話を披露。「市議として愛する小東京を代表することができ、小東京の一員となることができ、光栄だった。皆さんも私の家族の一員です」とあいさつした。
ペリー市議は、さまざまな市の事業において日系社会の声を代弁。03年に小東京の西本願寺横にロサンゼルス市警察本部と刑務所の移転建設案が提案された際には、治安の悪化や日系文化の退廃を懸念した日系社会の声に理解を示し、同地を移転先候補から外す内容の提案を市議会に提出するなど尽力。メトロのリージョナルコネクター事業でも、小東京の歴史や文化の保護を訴えるとともに、低料金の公共駐車場の建設や、3街のセントラルとサンペドロ間にある小東京タワーズ前に横断歩道を建設する案など、さまざまな事業で日系社会の声を市に届けた。
LTCCの岡本雅夫議長は、日系社会がペリー市議と歩んできた11年間の事業を振り返り、「今までコミュニティーのために尽くしてくれたことに対し、感謝してもし尽くせない」と述べ、「これはお別れではなく、感謝の気持ちを伝える会」と、引き続き日系社会の友でいてほしいと述べた。
ペリー市議はまた、コミュニティーのイベントや文化行事にも積極的に出席。毎年8月に行われる二世週祭の街頭音頭には、法被を羽織って参加する姿が恒例となった。二世週基金のマーク・ナカガワ会長は、長年にわたる貢献に感謝するとともに、ペリー市議の親友で、先月亡くなったフランシス橋本さんと法被姿で音頭を踊る写真などを額に入れ、プレゼントした。
このほか、市議になる前からペリー市議を知る小東京交番のブライアン鬼頭さんや、小東京住民会を代表し、リトル東京サービスセンターの靖恵クラークさん、JACCCのサンディ・サカモト理事などが、長年にわたる貢献に感謝の言葉を述べた。
【中村良子、写真も】
長い間 ご苦労様と申しあげたい。 市長さんになられてからも宜しく。
本当にこれがお別れではありません