「ブロードウエー再開発案」で提案されている路面電車の路線図

 総額1億2500万ドルをかけたロサンゼルス・ダウンタウンの路面電車再建を含む、「ブロードウエー再開発案」で、路線周辺の土地所有者を対象とした特別税採用の是非を問う投票が行われ、73%の賛成票で承認された。これにより、事業費の約半分となる6250万ドルが確保されることとなり、今後市は残りの資金獲得を目指し連邦政府に働き掛けていく。
 「Bringing Back Broadway Initiative」と名付けられた同案は、ダウンタウンを管轄する14区のホゼ・ウイザー市議が提案、アントニオ・ビヤライゴーサ市長らが支持を表明している向こう10年間をかけたブロードウエー周辺再開発案。路面電車再建のほか、歴史的建造物の保存や再建、周辺ビジネスの活性化を目的としている。
 投票は11月13日、「路面電車投票区域」と呼ばれる路線建設予定地周辺約3ブロックに位置する土地所有者やコンドミニアム所有者ら登録有権者に郵送され、今月3日までに返信することになっていた。結果、投票率19・4%で承認に必要な2/3を大幅に上回る73%が賛成票を投じ、同案への支持の高さを伺わせた。
 特別税は、所有する土地の大きさや路線からの距離などで計算される。コンドミニアムの所有者に課せられる特別税は、年間約60ドルから100ドル程度という。
 路面電車再建推進する非営利団体「LA Streetcar Inc」(LASI)によると、路面電車再建により、ダウンタウンの価値があらたに11億ドル上がるとし、2450万ドルの観光収入や9000以上もの雇用創出が見込め、市には4700万ドルの追加歳入があると見積もっている。
 路面電車は、ブロードウエー、11街、フィゲロア、7街、ヒルを通り、市庁舎、ブロードウエー地区、ヒストリックコア、ファッション・ディストリクト、サウスパーク、LAライブ、コンベンションセンター、ファイナンシャル・ディストリクト、ジュエリー・ディストリクトなどを結ぶ。週7日、一日18時間運行で、一日6000人以上の乗客数を見込んでいる。早ければ2014年に着工、16年の開通を目指す。
 その他同事業の詳細は―
 www.streetcar.la

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