ゲストとして登場した俳優ジョージ・タケイ(中央)を囲んで(左端から)桃井、蜷川監督、(右端から)青木、大友監督
 昨年から始まり今年2回目を迎えたロサンゼルスの日本映画祭「LA Eiga Fest」が14日から3日間、ハリウッドのエジプシャン・シアターで開催された。初日の14日にはオープニングセレモニーが行われ、北米プレミアとなる「るろうに剣心」が上映された。同作の大友啓史監督、俳優の青木崇高ほか、同じく同祭上映作「ヘルタースケルター」の蜷川実花監督、俳優の桃井かおりらが出席する中、日本映画の祭典が華やかに行われた。
上映後の質疑応答で、青木(右)の役作りの秘話を語る大友監督
 同祭は米国人に日本の映画や文化を広め、日米の相互理解を深めることを目的に活動するNPO「Japan Film Society(三石勇人会長)」が主催。上映作は日本でもヒットした同2作品のほか「テルマエ・ロマエ」「のぼうの城」「らくごえいが」などの話題作やアニメ作品のほか、米アカデミー賞公認映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル」から4作品、コンペティション作品入選の6作品も上映され、今後活躍が期待される若手にも焦点が当てられた。
 日本映画や日本の影響を強く受けた作品を上映することで、日米の映画業界内で新たな才能を発掘する機会を作り、さらに日米映画業界間のビジネス関係を強めていくことを目標としている。三石会長は「日本には素晴らしい映画、監督、俳優がたくさんいる。こうした作品、人材を米国で紹介し日本映画を普及させるのがわれわれのミッションである」と力を込める。
 大友監督は2年間、ロサンゼルスに住んだ経験を持つ。日本映画界には多くの良作があるにもかかわらず、世界に発信する力が足りないことを危惧し、「(同祭は)日本映画を世界に売り込む人材を増やす良い機会である」と述べ趣旨に賛同した。
 LA在住の桃井は、同祭の存在を昨年から知っており、「いつかは日本人としてお手伝いしなくてはと思っていた。日本の映画を多くの人に知ってもらいたいので、この機会に参加できてうれしい」と述べ、同祭に華を添えた。
 蜷川監督は、「(自身の作品を)LAで上映することができ、また桃井さんと一緒に参加することができてとてもうれしい。米国の観客にも作品を楽しんでもらいたい」と語った。
 上映後は大友監督と青木に対する質疑応答が行われた。米国人の観客からはアクションシーンが特に反応が良く、侍の基本動作を取得しスタントを使わずに撮影にのぞんだ青木は「戦いの場面で観客から笑いや歓声が上がったのがうれしかった」と述べ、手ごたえを感じたようだった。
 同祭では映画の上映のほか、ハリウッドの映画関係者を招いたパネルディスカッションも催され、現在の映画界の状況や今後の課題などについて議論され、情報交換が行われた。【吉田純子、写真も】

レッドカーペットに登場した桃井かおり(右)と蜷川監督

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