日本食をはじめアジア食全般の輸出入卸売販売を手がける西本貿易グループ(本社東京、洲崎良朗代表)の「NTC WISMETTAC財団」はこのほど、ロサンゼルス地区を拠点に活動する障害を持つ子供たちを育てる日本語を話す親の支援団体「手をつなぐ親の会」(JSPACC)に、活動資金支援として計1万7000ドルを寄付した。
同財団は、西本貿易グループにより2011年7月28日に設立。1912年の同社創業以来、長年にわたりアジア系および米国社会から多大なる支援を受けてきたことに対する感謝の気持ちを表わすため、社会貢献や社会的弱者へのサポートを目的としている。
同グループの洲崎代表は、「皆さまのおかげをもちまして、弊社は昨年創業100年を迎えることができました。心より感謝し、地域の皆さまに少しでも恩返しができればと思い、当財団を設立いたしました」と述べ、今後も社会貢献に力を入れていきたいと話した。
同財団兼西本貿易の西川敏之副社長から1万7000ドルの寄付金を手渡されたJSPACCの吉山るり子会長は、「日本の企業がサポートしてくださることは、私たちのコミュニティーに向けた活動が認められてきたのだと大きな勇気をいただくことができた」と感謝した。
会員からの会費と支援者からの寄付で成り立つJSPACCは、障害を取り巻くアメリカの法律やシステム、意識の違いを母国語である日本語で学びつつ精神的に支え合うことで、親の自立をサポートしていくことを目的に活動を続け、今年で結成19年を迎える。最近では、パフォーミングアートなどを通して障害を持つ子供たちが活躍できる場を作ること、また障害児の兄弟姉妹たちの心身サポートとリーダーシップ育成にも力を注いでいる。
吉山会長は、「今後は、こういったJSPACCの活動をより多くの人に知ってもらうため、西本貿易さんからの寄付金で、会のホームページをはじめとしてさまざまな活動をより充実させ、コミュニティーへの働きかけや貢献にも力を注ぎたい。また、大きな反響のあった障害児によるタレントショーやミュージカル『キャッツ』の公演なども再開させたい」と、意欲的に話した。
西本貿易グループの「NTC WISMETTAC財団」は今後、活動範囲をより拡大し、日系社会に限らず社会的弱者への支援を中心に幅広く社会貢献に力を入れていくという。【中村良子】