実際に住んでみて、米国と米国人の印象について気付いた点が多かったという。小林さんは「日本人とは物の見方や考え方が違って、日本のよい面と悪い面が分かった。アメリカは人種が多いので、互いを尊重しながら発言して、行動しているような感じがする」。中島さんは「知らない人同士でも、すぐに会話して打ち解ける。すごくオープンで、びっくりした」と述べた。
エルトロ高校とカルバリーチャペル高校を訪れ授業を見学した。中島さんは、「先生がほとんど話す」という日本との違いを見出し「みんなが積極的に手を挙げて活発に発言している。
ホームステイ先では、米国の一般家庭の生活を体験した。健康面で気にしていたアメリカンスタイルの食事だが、小林さんは当初抱いていた脂っこく不健康なイメージを変えられたという。ワッフルの朝食から始まり、ハンバーガーにパスタ、デザートにはクッキー、ヨーグルト、毎回違った数種のフルーツを食べ「健康的な食事を出され、おいしく食べている」と喜んだ。中島さんは英会話が得意ではなく、たいへんだというが「スラングや教科書には出てこないユニークな表現を分かりやすく教えてくれるので、とてもためになった」と語り、英語の上達を日々実感したという。ともに「優しくて、とてもいい夫婦にお世話になった」と口を揃えた。
プログラムを終えた2人。小林さんは、以前から外国に住む夢を持っていたが、今回の滞在でその夢はさらに膨らみ留学を志望するようになったといい「将来は地域振興のための仕事に就きたいと思っている。道産子のよさを世界に発信し、アメリカで学んだ経験を生かしたい」と抱負を述べた。中島さんは「将来の役に立った。日本の外の世界を知らないことが分かり、ショックが大きかった。人生観が変わった」と自らの成長を喜んだ。
ホームステイプログラムは、道産子会の創立25周年を記念して1997年から始まった。毎年2人の高校生を招き、今年までの16回に32人が参加した。日本にはOB会があり、道産子会と連携しプログラムを支援している。
小林さんと中島さんのホストファミリーのドン、ジュディー・ボガードさん夫妻は、2005年から生徒を受け入れている。一昨年にはOB会から北海道に招待され「日本にいる多くの『息子』と『娘』の元気な姿を見ることができてうれしかった」と再会を楽しんだ。夫妻は「子どもたちは、毎日の会話で英語がどんどんうまくなっていく。日本と違った文化にふれることで考え方が変わり、成長していく姿を見るのがうれしい」と話し、今後も生徒を世話するという。
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