天職とは何でしょうか。日本的な考え方からすれば、天から与えられた運命の職です。金銭を得ようがそうでなかろうが、その人が一生をかけて取り組むような活動や仕事を天職と呼ぶのかもしれません。
今している仕事を天職などと考えてもいなかったとしても、後に考えるとそうであったと思うこともあるかもしれません。もちろんそういったものに何度もめぐり会った人もいれば、終にはめぐり会えない人もいるかもしれません。
欧米的な考えからすれば、職は生活の手段であり、職は時と場合によって変わっていくものであり、一生しがみつくものではないような気がします。
スタンフォード大学の教育学・心理学の教授であるジョン・クランボルツ氏は米国のビジネスマン数百人を対象に調査を行い、就職のきっかけの80%が「偶然」だったということを明らかにしました。
この「偶然」をつかみ取るために有名な大学を目指すのかもしれません。80%が偶然なら、「天職は寝て待て」という古い文言は正しいといえるかもしれません。そして確かに言えることは、誰もが天職にめぐり会いたいと思っていることです。
では天職にめぐり会うためにはどうすればよいでしょうか。まずは「好きなこと」を、はっきりさせることです。今の取り組みが決して好きでないとしても、やりたいことにつながると認識できるものであれば、「好きなこと」を貫いている一環と言えると思います。ですが、明らかに苦手だと思うことに時間をかけるのはやめるべきです。
反対に、自分が今まで時間をかけてきたことは何かを考えてみてください。時を忘れて取り組んだもの、金銭や時間の対価を抜きにして取り組めると思うものは何だったかを考えてください。自らのお金を惜しむことなく、時間を十分に使ってきたものは何だったでしょうか。今できていなくても、今後取り組みたいと思うものは何でしょうか。
こういったことを自分に問い詰めていくと、案外限られた選択肢が現われてきます。それがあなたにとっての天職になると信じています。【朝倉巨瑞】