右投左打。185センチ、82キロの恵まれた体格を生かし、俊足の二塁手として今季は33試合に出場して打率3割5分5厘、11本塁打、31打点の好成績を残した。指名を待ったドラフトは、テレビで両親とともに見守った。ヤンキースから2巡目に指名され「決まった瞬間、両親と抱き合って喜んだ」という。
サンディエゴのランチョ・バーナード高を今春卒業した。カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)への進学を決めていたが、ヤンキースから上位指名を受けたことで翻意し「来週、身体検査を受けて全部いい感じでいったらサインしようと思っている」と話し、プロ入りの意志を表明した。
この日、参加したプロの練習は人生で初めてだといい「ヤンキースのユニホームを着て練習するなんて思わなかった。これまでは、テレビでしかプロ野球選手を見たことがなかったけど、フィールドで一緒に話してみると、すごくおもしろくて、野球が好きな人たちだとよく分かった。こういう経験ができてとても楽しかった」と目を輝かせた。
打撃練習は、憧れのイチローと同じグループで打つ機会に恵まれた。左右両方向に打ち分け時折、鋭いライナーの当りも飛ばした。「イチローさんとは話す機会がないと思っていたけど今日来て、話すことができて本当に楽しかった。『これからも頑張って、いつか一緒にプレーしよう』と言ってくれた」と、興奮した面持ちで話した。
対戦したい投手は、との問いに「ダルビッシュさんを高校の時から見ていたので、いつか対戦したい」と夢を膨らませた。マイナーでプレーする厳しさを覚悟し「死にものぐるいで練習し、いつかはヤンキースタジアムでプレーしたい」と誓った。
イチローは加藤を評し「18歳でヤンキースの練習に参加するのはすごい。ジャイアンツ(日本の巨人)でルーキーが一緒に練習するみたいな感じでしょう」と絶賛した。
練習後、加藤はスタンドから試合を観戦した。イチロー目当てに千葉県松戸市から観戦に訪れたという目ざとい二人組みのファンから「頑張ってメジャーに上がって下さい」と声を掛けられ、握手と記念撮影のリクエストにも応えていた。【永田潤、写真も】