青木会頭があいさつに立ち、同奨学制度について「日系社会で最も歴史の古い1つで権威がある。受賞は光栄なことである」と説明。「日系社会の将来のために、これからも貢献してほしい」と期待を寄せた。
来賓を代表し、新美潤総領事が祝辞を述べ、同基金を賞賛し、基金の活動を支える中村夫妻の労をねぎらった。基金については「南カリフォルニアの日系社会の将来の世代のために極めて重要である」と強調。受賞者のさらなる活躍に期待を寄せ「日系人の若いリーダーとして実力を発揮してほしい。今後は、日米関係にも貢献してほしい」と願った。
受賞者はみな学業では優秀な成績を収め、クラブ活動などでスポーツにも力を入れ、文武両道を行く。さらに、日系社会で奉仕活動に励む生徒も多く、将来が嘱望される。受賞者は1人ずつステージに上がり学歴と進学先、専攻などが紹介され、青木会頭から賞状を、同奨学金の寄金を行った13の基金や夫妻、個人からは、お祝いと励ましの言葉とともにチェックが贈られた。約100人の参加者は、日系社会を背負って立つ逸材に期待を込めた大きな拍手を送り祝福した。
顕彰表彰の中村さんは、故郷鹿児島の高校を出て渡米。当地の大学を卒業し、日系の銀行に勤めた後、ホテルを開業し成功を収めた。日系社会での奉仕にも精を出すなど、書道をはじめとする長年の社会貢献が認められ今年4月には総領事表彰を受けた。日商を通じた同奨学基金の運営は、南加日商元会頭の故伊藤謙治氏らとともに40年ほど前から携わっているといい「伊藤さんと一緒に長い間、頑張ってやってきた。奨学制度が今も続いていてありがたい」と、寄付者などの協力に敬意を表す。このたびの奨学生19人に向けては、自身の体験を踏まえ学業の重要性を説きながら「日系のアイデンティティーを誇りに持って社会に貢献してほしい」とエールを送った。【永田潤、写真も】
▽奨学金受賞者は以下の通り(敬称略)
ブリトニー・チン、ジェイソン・フジクニ、ケイトリン・ハラ、トレイシー・ハラ、トモコ・イリエ、ハリソン・ジョング、アレックス・カネガワ、エミリー・マエダ、カタリナ・ミヨシ、リナ・オギノ、ケイシー・オカザキ、アルバート・オク、ダニエル・オオタ、エリー・サワダ、ブランドン・スコット、ケリー・タニ、テイラー・タニタ、アマンダ・ウォング、ミサキ・ヨシザワ