たまには日本語以外の題材を。英王室ウイリアム王子夫妻に赤ちゃん誕生の話題は、米国でも大きく報道された。そのテレビニュースを見ていて昔から思っていたが、あらためて皇室と国民、メディアとの距離感が日本と随分違うなと感じ好感も持った。
 キャサリン妃が、生まれたての赤ちゃんを頭のカバーもなく自分で抱き、歩いて病院から現れた。産後の病院滞在は米国と同じでたった一泊のみ。これも日本とは大分違う。この先がまた大いに違う。
 父となったウイリアム王子は、上着なしでYシャツの両腕をまくり上げただけの昼休みのサラリーマンみたいな軽装で、共に現れた。赤ちゃんを抱いて、取り巻くメディアの質問に笑顔で応えている。
 報道陣も、若いが頭の毛の薄い王子に、ベイビーの髪の毛はお父さんとどちらが多い? などと平気で聞いている。失礼な! なんて誰も言わない。「赤ちゃんの方が多い」と王子も平気で笑顔で応える。立派なもんだ。王子と王妃のどちらに似ているか? とも聞かれ「幸いにキャサリンの方に似てて良かった」とさらりと上手い答え。
 その後王子はSUV車の後部座席に赤子シートを自分で苦心して取り付けている。皇室職員なんて出て来ない。それが終わったので、王室運転手でもいるのかと思ったら、キャサリンさんを後部席に乗せて自分でさっさと運転席に乗り込み、そのまま走り出した。拍手、拍手。
 妃の実家まで自分で運転だそうだ。日本と大分違う。これなら英国民が皇室に親近感を持ち、赤ちゃん誕生を嬉しく大いに湧くのも自然だ。日本の皇室は歴史的性格が違うとはいえ、日本の雅子さんもこんな国情だったら病気にもならなかったんじゃないかな、などと思ったりする。
 もう一点。赤ちゃん誕生は日本の報道も過熱していたが、なぜ日本でそれ程騒ぐのだろう。中でNHKニュースが「世界中が熱狂しています」なんて言っていたが、ジャーナリズム失格の全くの無知発言ですよね。別に誕生はケチつける積りはないが、世界地図で見たらクールな地域、国の方がずっと多く広い。世界中が大騒ぎなんて事実はないのだ。もっと世界を正確、客観的に知って報道してほしいです。【半田俊夫】

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