来年1月1日、ロサンゼルス市内の大型スーパーマーケットから買い物用プラスチックバッグがついに姿を消す。小規模な商店は7月1日まで猶予期間があるが、これにより買い物客は再利用可能な布製バッグ(通称エコバッグ)を持参するか、もしくはマーケットで一枚10セントの紙袋を購入するかになる。
同案は約5年前にロサンゼルス郡が採用し、その後サンタモニカやロングビーチ、ウエストハリウッドなどの都市も採用した。背景には環境問題がある。ロサンゼルス市で年間配布されるプラスチックバッグは20億枚、うちリサイクルされるのはわずか5%。多くはゴミ処理場で埋められるか、道端に放置され海にたどり着き、環境や生態系をも崩している。
筆者を含め、多くの家庭ではこのプラスチックバッグをゴミ袋やペットの糞の後始末用として「再利用」している。しかし環境保護団体によると、「再利用」後にその袋は同じように埋め立て地に埋められ環境の害になっており、本来の意味での再利用や環境保護にはなっていないと訴える。
では来年からどうするか。団体のアドバイスは(1)新聞紙を利用(2)野菜を入れる薄い袋を利用(3)食パンなどの袋を利用(4)地中に埋めると生物分解されて溶ける特殊バッグを購入―だそうだ。
生物分解されるバッグは少し値が張るため、家庭用に普通のプラスチックバッグを大量購入する人が増えれば、これまた逆効果。
また愛犬家として心配なのは、路上に放置される犬の糞が増えないかということ。犬の糞は肥料になるとして放置する人がいるが、専門家によると、発酵させなければ肥料にはならないという。放置された糞は雨などで排水路を伝って川や海に流され、結局環境に悪影響を及ぼす。
犬の散歩に羅府新報を持参することも考えたが、拾った後30分の散歩中持ちこたえられるのか不安もある。やはり生物分解されるバッグの購入が有力か。これはお財布との相談になりそうだ。もはや、無料のものはなくなりつつある。【中村良子】