生田会長は出席者に対し、「今日の感動を糧に教授陣、生徒一同、次のステップへと邁進していきたい」と述べ、米国での書道発展への協力に感謝の言葉を述べた。
賞状授与式では、産経国際書展の入選、秀作、特選、会友賞、誠心社展での誠心社賞、誠海賞の受賞者の名前が一人ひとり呼ばれ、同会長より表彰状が手渡された。
各賞の代表者がそれぞれ壇上に立ち、受賞の喜びを語るとともに、同会長と教授陣に感謝の言葉を述べ、「これからも書道の練習に励み、米国における日本文化の継承に貢献していきたい」と意気込みを語った。
産経国際書展は7月25日から31日まで東京都上野の東京都美術館で、誠心社現代書展は7月31日から8月4日まで上野の森美術館で開催され、生田会長はじめ同会のメンバーおよそ10人が贈賞式に出席するため訪日した。
明治記念館で行われた産経国際書展の贈賞式には、高円宮久子妃殿下をはじめおよそ1000人の出席者が集まり、賞状の授与が行われた。
毎年100点以上の出品を目標とする同会は本年度、産経国際書展30回記念特別表彰として通算3000点以上の出品団体に贈られる団体表彰も受賞。同会長は「メンバーたちのたゆまぬ努力と2世、3世の書に対する関心の高まりが受賞につながった」とし、生徒たちにさらなる向上を目指すよう呼び掛けた。
この日の謝恩式では、男性会員8人による書道の実演も行われた。実演は来場者には知らされておらず、サプライズの演出。
数人による実演は今回が2度目の試みで、前回は女性陣が担当。今回は男性陣が行い、熟練者から習い始めて3カ月程の初心者も一緒になって「乾坤正気天地皆春」を書いた。男性なので元気よく力強い文字をと思いこの言葉を選んだという生田会長は「年の暮れなので、新しい年に向けての心構えと希望がこの言葉には込められている」と語る。
合図とともに勢いよく書いた8人には来場者から盛大な拍手が贈られた。
来賓がそれぞれ祝辞を述べ、須賀首席領事は「8人の実演に圧倒された」と話し、受賞者を祝福するとともに「『文は人なり』と同じように『書も人なり』だと思う。今後も同会の発展に貢献して下さい」とエールを贈った。
会場には現代書の開拓者・国井誠海の山形県にある記念館の開館25周年を記念し米国から出品した生徒たちの作品が飾られ、来場者はその一つひとつを丁寧に鑑賞していた。【吉田純子、写真も】