先日、ABCテレビで興味深いインタビューを見た。フェイスブックCOOで、著書「Lean In」でも有名なシェリル・サンドバーグは最近「ボッシー(威張りんぼ)と呼ばないで」キャンペーンを始めた。自身も小学生時代に、学校の先生が友人に「シェリルはボッシーだから一緒に遊ばないように」と言っているのを聞いてひどく傷ついたという。
 同番組の調査によると、多くの女子小学生は少なくても一度は「ボッシー」と呼ばれたことがあり、3分の1の女生徒は友人に嫌われないように行動を制限するという。
 日本よりはるかに多くの女性が活躍するアメリカでも同様に、中学生くらいになると男子学生が一歩前にでて集団をまとめる行動は「リーダーシップ」と賞賛され、反対に女子学生が同じ振る舞いをすると「ボッシー」とネガティブに捉えられる。程度の差はあれ、日本もアメリカも女性がリーダーシップを取ることにはまだまだ否定的だ。
 10年くらい前だろうか、あるベテラン女性起業家に、「起業するにあたって何を勉強しておけばいいでしょうか」と質問したことがある。即座に「リーダーシップ」という答えが返ってきた。「社長として社員を束ねるにもっと勉強しておけばよかった」とのこと。
 次の大統領選挙でアメリカで初の女性大統領誕生に向けて、ヒラリー・クリントン氏の周辺が騒がしい。クリントン氏が当選すれば、「ガラスの天井」に大きな穴が開くだろう。女性の活躍の場がもっと大きく広がるに違いない。
 今後、国籍にかかわらず、幅広い分野で女性が活躍するために、教育現場で教員と児童ともに、男女それぞれのリーダーシップのロールプレイや、肯定的な見方についてもっと体験する場が必要ではないだろうか。【下井庸子】

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