桜、レンギョウ、紫陽花、ユリ、楓、芍薬(しゃくやく)などを用いて、春と夏を表現した琳派調の大作を実演する横東宏和助教授。左はアシスタントを務めた小原流研究院講師の小山田穂漿さん
桜、レンギョウ、紫陽花、ユリ、楓、芍薬(しゃくやく)などを用いて、春と夏を表現した琳派調の大作を実演する横東宏和助教授。左はアシスタントを務めた小原流研究院講師の小山田穂漿さん

日本の春から初夏の風景を表現した写景盛花
日本の春から初夏の風景を表現した写景盛花

 北米34支部で会員の指導にあたる教授陣で構成される「小原流北米教授会」(NAOTA)は2日から5日にわたり、小原流研究院から横東宏和助教授を招き、「第13回北米コンファレンス」をロサンゼルスで催した。
 5日には、横東氏によるデモンストレーションが日米文化会館で行われ、NAOTAおよびロサンゼルス支部会員をはじめ、他流派の代表ら約150人が集まった。
 約一時間半にわたった横東氏によるデモンストレーションでは、当地の花材、花器を使い、同氏がロサンゼルスに到着して感じた「砂漠」「さわやかな風」「太陽の光」などをイメージした作品をはじめ、中国の文人趣味を背景にした格調高い文人調いけばなや、自然の景色を水盤の中に再現するようにいける写景盛花、絵画的世界を花で表現する琳派調といった小原流の伝承花など、計8作を披露した。ロサンゼルス支部の河村玲芽教務が英語の通訳を務めた。
横東氏の作品を写真に収める参加者
横東氏の作品を写真に収める参加者

 横東氏にとって、ロサンゼルスは10年前に開催されたロサンゼルス支部創設35周年記念式典以来2回目。3日間にわたり行われたセミナーを通じ、「北米で活躍する教授陣は非常に熱心で感動した」といい、北米をはじめ海外でのいけばなの普及をあらためて喜んだ。
 また、海外の生徒は「なぜ」を深く追究する傾向にあるといい、指導者からの説明をそのまま受け入れがちな日本の生徒にもその精神を学んでもらえるよう、日ごろから指導を心がけているという。
 横東氏は、海外でも多くの人がいけばなに興味を持っていることに感謝するとともに、「花、いけばなを楽しみ、花、花器との出会い、またいけばなを通じた人との出会い、花を慈しむ心を大切にする精神を学んでもらいたい」と話した。
 今年で13回目を迎えた同コンファレンスは北米の教授を対象に毎年行われ、ロサンゼルス支部は第2回に続き2度目の担当。来年はハワイで予定され、ハワイ支部が担当する。【中村良子、写真も】

主催地としてコンファレンスを担当したロサンゼルス支部のメンバー。前列右から2人目がポーター五月支部長
主催地としてコンファレンスを担当したロサンゼルス支部のメンバー。前列右から2人目がポーター五月支部長

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