文化ワークショップは、主役の子どもたちが餅や饅頭などの和菓子や、茶道などを体験。各ブースでは、折り紙や塗り絵、版画などのクラフトの作品作りに取り組んだ。ステージでは、和太鼓やウクレレを披露し、大いに盛りあがった。
アラタニ劇場では、25年前に公開された「ゴジラvsビオランテ」が昼夜2度にわたり公開され、合わせて約430人が鑑賞した。上映前には、同作品の特殊撮影を手掛けた特撮監督の川北紘一さんと、撮影用のミニチュアセットを制作した岩崎憲彦さんが、特撮の基礎技術を紹介するレクチャーを行った。
岩崎さんは、ビルを破壊する特撮について「10メートルの高さのビルから石を落とすと、10秒で落下する。1メートルの高さの模型からだと、1秒で落ちる。大きさを10分の1にするので、時間も10分の1に縮まる」と説明した。その実演をし、片手で持てる石を隕石にみなし、ミニチュア模型に落とし、それを1秒間に240フレーム撮影できるハイスピードカメラで撮影した。その映像をスロー再生すると、あたかも空から重量感のある巨大な隕石が落下するかのように見え、会場は再び歓声に包まれた。
質疑応答が持たれ、岩崎さんは「セット模型を作るのと、壊すのはどちらがおもしろいのか」と問われ、「作る方がおもしろい。でも、最後は壊す目的で作っているので、壊れる瞬間を見るのもいい」と答え、制作者冥利に尽きる考えを示した。川北さんは、上映した同作品がデジタル技術やCGを使わずに、すべて手作りのアナログを駆使したことを強調し「特撮の基本は、アナログだ」と述べた。
ゴジラの同イベントは、小東京で営業し映画やアニメのキャラクターグッズなどを販売する「アニメジャングル」が、同館と共催し実現した。イベント終了後は、同店で2人を招いたトークショーを行い、撮影時の逸話などが披露される度にどっと沸き、ゴジラマニアは、たまらない一夜を過ごした。【永田潤、写真も】