日本でほめられる教育を受けて育っていなかったせいなのか、渡米してからは、ほめて良いところを伸ばす教育方法との違いにとまどい、反省することもしばしばです。ほめられることに慣れていないと、ほめ方も上手ではないので、ついイライラしたり、声を荒げることは、さらに親子関係や人間関係を冷めたものにしてしまいます。
清水祐尭氏(『開運の作法』)いわく、「褒める」というのはエネルギーの流れを変える行為だそうです。そして、「相手を称賛することのご利益は、相手が3割、自分が7割。つまり、3分の2以上が自分のご利益となる」そうです。ほめることで、ほめた相手より自分に良いことが多くあると考えれば、人間関係の回復に役立ちそうです。
しかしながら、言葉や文化が違う人をほめるのに苦労したことはないでしょうか。何気ないほめ言葉が、嫌味になることもあります。ほめたいという気持ちが強すぎても、どのあたりまでほめて良いのかは、経験で相手の反応を計りながら学ぶことかもしれません。
そこで清水氏は、「拍手で褒める」ことを推奨しています。万国共通で使える称賛が拍手です。考えてみれば、拍手でほめることは、言葉が通じない人にでも共鳴や感動や敬意を伝えるすばらしいコミュニケーション方法です。拍手喝さいがその場の雰囲気を変え、周りの人の気持ちやエネルギーを変えることはよくあることです。「落ち込んでいたり、自信が持てなくなったりしたときは、ぜひ、自分に拍手をしてください。やってみれば誰でもわかることなのですが、拍手をすると自然と心が晴れ晴れしてきます。マイナスエネルギーを、ほんの数秒でプラスエネルギーに変えることができるというわけです」
自分をほめればすべてが自分の利益になるだけでなく、周りをもハッピーにできると考えれば、ほめることには大きな意味があります。【朝倉巨瑞】