病み上がりの体力回復にむけ、ドクターの指導により、週3回リハビリ・センターへ
通うようになって間もなく1年になる。ここでの訓練により、内臓を含む体力への自信を少しずつ自覚できるようになってきた。
 怠けぐせが身についた私はビジネスからの引退後、病気と年齢を言い訳に動くのが億劫になり、その上、ドクターからの外出制限もあり、自宅に引きこもる時間が多くなっている。半ば強制的に通うリハビリ・センターがなかったら、多分私の足腰は悲惨な状況に陥っていたかもしれない。
 さて、私の筋力(一部内臓を含む)の強化はリハビリ訓練で最小限度達成されつつあるが、最近、記憶力と思考力の劣化が気になりはじめている。しばらく会っていない友人や知人の名前を度忘れしたり、テレビを見ていて出演俳優の名前が出てこなかったりなど、病的症状までには至っていないものの、自分にいらつくことがしばしばだ。若いころは自分のパスポートや運転免許証の番号などは当然のように記憶していたし、身近な友人・知人の電話番号も無理なく暗記していた。最近は自分の考えをまとめたり、新しいことを考え出したりが以前にくらべて思うようにはかどらない。あきらかに加齢に伴う脳の老化が進行しているようだ。
 筋肉増強または維持にとって運動が必要であるように、脳力強化、維持のための脳トレーニングも必要だ。脳トレのための軽い運動も発案されているようだが、脳にとって最も必要なことは前向き、積極的に「アタマを使う」ことではないだろうか。若いころの私は好奇心旺盛で感動も多く、記憶力、想像力、創造力、やる気など、気にしなくとも十分持ち合わせていたと自負している。しかしこれからは意識して保持するよう「脳のリハビリ」につとめねばと思っている。
 人の脳細胞(脳の神経細胞)の数は歳を重ねるごとに減少してゆくといわれる。しかし、もともと人間は自分の脳のうち本当に有効活用しているのはごく限られた部分であり、脳細胞が減ることを心配するより、もっと脳の有効活用を心がけるほうがはるかに効果的なはずだ。【河合将介】

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