企画担当者とパネリストの5人。左から建部博子さん、レネー・フレイジャーさん、ジュリア・ワダさん、ボニー・ヒルさん、マリア・フィラースさん、ベッツィー・バークハイマーさん
企画担当者とパネリストの5人。左から建部博子さん、レネー・フレイジャーさん、ジュリア・ワダさん、ボニー・ヒルさん、マリア・フィラースさん、ベッツィー・バークハイマーさん

熱心に話に耳を傾ける参加者
およそ130人が初回イベントに参加
 私たちが働く環境に新たな風が吹きつつある。長い歴史の中で当たり前だと思われていたことが、当たり前でなくなる日も遠くない。今、低迷する経済を発展させ、競争力を維持していくためには女性の地位を向上させることが不可欠だ、という考えが日米共通の認識となりつつある。前回のリポートでは、日米の政策レベルの変化とその背景について触れた。これから大切なことは、新しい時代の波にうまく乗り、女性がいかに自らの能力を伸ばし、男性が多い組織の中でも彼らの理解を深めてもらいながら、リーダーシップをとる力を女性がどのように高めていくかということだろう。日々の『現場レベル』でどう考え、どう行動していくかがいま問われている。【中西奈緒、写真も】
 

女性を応援するひとつの動き

 南加日米協会が設立した「Women’s Leadership Counts Initiative」(WLCI、働く女性のリーダーシップ向上イニシアティブ)」もそんな時流の中のひとつ。コミュニティーの個人・中小企業に働く人々、企業の経営者や管理職などとのネットワークを広げ、女性のリーダーシップの向上に役立てるとともに、現在と未来のリーダーとの貴重な交流の場を提供する目的でつくられた組織だ。
 WLCIの企画は、元カリフォルニア第一勧業銀行で女性初の取締役兼副頭取を務め、現在、次世代リーダーを育てる独自のグループGOLDの代表としても活躍する建部博子さんが担当している。
 この初めての会合はロサンゼルスのホテルで行われ、日米で活躍する主に30代40代の女性たちおよそ130人が集まった。そのうち18人は、日本から1週間のリーダーシップ研修の一環として参加したソニーで働く女性たち。
 パネリストは米企業で管理職として働く5人で、トヨタファイナンシャルサービス・グループVPのジュリア・ワダさん、CBSフィルム副社長のマリア・フィラースさん、B. Hill Enterprises LLC社長のボニー・ヒルさん。司会進行役として、KFWBラジオショー「Unfinished Business」の司会者を務める、レネー・フレイジャーさんと、ベッツィー・バークハイマーさんという豪華な顔ぶれがそろった。
 
先輩女性たちの言葉

 パネルディスカッションでは、彼女たちが今の地位を築き上げるまでに学んできたこと、心がけてきたことなどについて話し合われ、質疑応答も活発に行われた。

熱心に話を聞く参加者
熱心に耳を傾ける参加者
 CBSフィルム副社長のフィラースさんは「まず自分のことをよく理解すること。何が好きで、何を望んでいるのか。その上で、たとえ男性ばかりの中でも、何もせずに状況を傍観しているだけでなく、行動を起こしていくことが大切」と話し、B. Hill Enterprises LLC社長のヒルさんは、「自分が持っている技能や能力を最大限に生かして、自分らしくいること。自分ではない誰か他の人間に決してなろうとはしないこと」と強調した。
 また、トヨタファイナンシャルサービス・グループVPのワダさんは、「さまざまな人たちの意見や感想には素直に、そして謙虚に耳を傾けることがとても大切。そういった人たちからの声に対して常に心をオープンにして、受け入れる姿勢をつくっておくことが、うまくやっていく一つの秘訣」と会場の女性たちに向けて熱く語った。  (つづく)

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