ロサンゼルス市議のネリー・マルチネス、マイク・ボニン、ギル・セディーヨ、カレン・プライスの4氏は7日、同市の最低賃金を2017年までに時給13・25ドル、19年までに15・25ドルに引き上げる提案を提出した。

 ロサンゼルス市のエリック・ガーセッティー市長は昨年7月の市長就任当初から17年までに最低賃金を13・25ドルまで引き上げたい考えを示しており、4氏の提案は同市長の意向を反映するかたちとなった。
 労働者グループはこの日、市庁舎前に集結し、最低賃金を時給15ドルに引き上げ、雇用主に対しては病欠時の給与支払いや給与の不払い防止などを呼び掛けた。
 コミュニティーの代表者は、ロサンゼルス市の労働者の46%、約81万人が時給15ドル以下で働いており、これでは生活していくために十分な給与が支払われているとはいえないと指摘。「2、3の仕事を掛け持ちで働く労働者もたくさんいる中、ロサンゼルスの物価は日々上がり続け、依然苦しい生活を強いられている人々が多いのが現状だ」と話す。
 ロサンゼルス市民のアルビナ・アードンさんは子供と過ごす時間を削り、マクドナルドで時給9ドルで働いている。夫と共働きだが、それでも生活していくのに必要なお金が稼げず、時として公的支援を受けざるを得ないという。「市長の時給13・25ドルの提案は確かにいいが、生活していくには時給15ドルの給与が必須」と訴える。
 今回の提案には、給与不払いや有給の病欠に関しては組み込まれていないが、今後市議会で話し合われる可能性もあるという。
 ロサンゼルス商工会議所は、失業者を増加させる可能性があるとして同提案には反対している。
 最低賃金をめぐっては今月1日、同市議会は組合に加入しておらず客室数が300室以上のホテルの従業員の最低賃金を、来年7月1日から時給15・37ドルに引き上げる案を承認している。客室数が150室以上のホテルに関しては16年7月から引き上げられる。
 カリフォルニア州では今年7月1日から、州の最低賃金が時給8ドルから9ドルになり、16年1月からは10ドルに引き上げられることが決まっている。
 ガーセッティー市長は同日、資金集めのイベントに参加するためロサンゼルスを訪れていたジョー・バイデン副大統領と面会し、両氏はロサンゼルスのビジネスリーダーたちとのミーティングに出席。最低賃金引き上げについて議論した。
 バイデン副大統領は6日にも、訪問先のラスベガスで同様の会議に出席し、連邦の最低賃金を現在の時給7・25ドルから10・10ドルに引き上げる案に支持を求めた。

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