2006年から2008年までの3年間は南加庭園業連盟の会長を務め、連盟の歴史的資料の保存に尽力。現在も週に4日庭園業の仕事を続けている。2009年には長年の農業発展と日米親善への尽力が認められ、大日本農会より緑白授有功章を受章した。
また庭園業だけにとどまらず、ソーテル日本学院理事長、昭和会会長なども歴任し、日系社会に貢献してきた。
堀之内総領事は、「小山さんのこれまでの功績に謝意と敬意を表し、総領事として賞を授与したいと思います」と述べ、表彰状を手渡した。
絵本作家で写真家のサニー・関さん、南加福島県人会の紙本マイク会長がそれぞれ祝辞を述べ、戦後、日本人が差別をうける中、これほどまでに信頼されるようになったのは小山さんを含め、当時のガーデナーの仕事ぶりが優秀だったからと説明。「家の裏まで入って行くガーデナーは信用がなければ務まらず、技術もさることながら信頼できる日本人のガーデナーはチャーリー・チャップリンをはじめ、グレゴリー・ペック、マーロン・ブランドなど数多くのハリウッドスターからも雇用され、高く評価されていた」と話し、同氏の表彰を心から祝福した。
小山氏がロサンゼルスにやってきて46年の歳月が流れ、「途中、困難や苦労が立ちはだかっても、懸命に努力し、工夫して乗り越えられたときの喜びは何事にも替え難いものだった。お客さんからの『きれいにしてくれてありがとう』という言葉が何よりもうれしく、苦労を忘れさせてくれた」と話す。
ハリウッドスターのドリス・デイの庭も3年ほど担当。「彼女はガーデンを奇麗にしたいという気持ちが強かったので仕事が多くて大変だった。でも良い経験になりました」と当時を振り返った。
南加福島県人会や南加庭園業連盟の機関紙作製にも携わり感じたことは、「今の私たちがあるのは、戦前、戦後、人種差別や迫害にも負けず、日系人としての誇りを持ち、立派に生きてきた先人たちの歩みがあったからこそ。このように誇り高い日系人の歴史を忘れず、日本人のもつ美しい精神文化を伝え、先人の努力を後世に残していくことがこれからの使命」と力を込めた。
表彰式の最後、喜びを語る同氏が口にしたのは妻への感謝の言葉。「今日ここまで頑張ってこれたのはすべては妻の支えがあったからこそ。心からの感謝を妻に伝えたいと思います」と静かに一歩前に歩み出ると、深々と妻に向かってお辞儀をした。顔を上げた同氏の目に映ったのはもちろん共に人生を歩んできた妻の笑顔。同氏はこれからも日系社会のために尽力していくことを誓い、家族とともに喜びを分かち合った。
総領事表彰は、日米の相互理解と友好親善の促進などにおいて顕著な貢献をした個人または団体に送られている。[吉田純子、写真も]