ジェントロジーは、医学、生物学、心理学、社会学などの面から老年期の諸問題を総合的に研究する学問。40年の歴史を持つ同学舎は、全米で唯一のジェントロジー専門の教育機関である。シンポジウムは、USCが提携する環太平洋のアジア諸国の大学で加齢学を研究する教授や学者が集まり、アジアで加速する人口の高齢化に対する問題や、その研究の結果を発表した。日本からは山野氏と、東大と早大から4人の教授が講演した。
同学舎部長のピンチャス・コーエン氏は、山野氏の講演について「日本の美容術について、とても分かりやすく説明してくれた」と話した。同氏は山野学苑を昨年と一昨年の2度訪問し「すばらしい美容学校だった。とても精力的に学ぶ生徒が、輝いて見え、私の話したジェントロジーという学問に興味を持ち、熱心に聴いてくれた」と振り返った。講演の内容は、加齢学について統計で説明し、同分野の新しい方向性について語ったという。加齢学と美容術の関係について「どちらも重要な学問であり、協力することでお互いが重要な栄養剤になる。われわれのパートナーシップがいつかは実を結び、高齢者の適切な生活の役に立ち、喜んでもらえる日が来ると思う」と話した。
山野氏は加齢学に美容術を紹介し、両者の学際的研究に相乗効果が期待できることから昨年、同学舎から学部長賞を受賞した。山野氏は、USCとの提携継続に意欲を示し「処方薬に頼らず、美容の持つ力で健康美を作り出し、美容界から『クオリティーオブライフ』を発信したい」と抱負を述べた。【永田潤、写真も】