ロサンゼルスのエリック・ガーセッティー市長は8日、大地震に備えた耐震安全性に関する計画を提案した。ロサンゼルスで大地震が発生した場合、倒壊の恐れがある建物を補強するよう建物の所有者に呼び掛ける内容となっている。

 ガーセッティー市長が補強を推奨するのはロサンゼルス市内で1980年以前に建てられた木造建造物とコンクリートの建造物。特にこの年代に建てられ最上階が駐車場になっている建物は1階部分の耐震性が低いという。
 ロサンゼルス市内には老朽化したコンクリートの建造物が1000棟以上あるとされ、うち50棟ほどが大地震発生時には倒壊する可能性があるという。
 加州南部から西部にかけてはサンアンドレアス断層がおよそ800マイル(1300キロメートル)に渡ってのび、ロサンゼルスは断層付近に位置している。もしマグニチュード7・8規模の地震が日中に発生したら、倒壊の恐れのある建物内で働いている市民およそ8000人以上が被害に遭う危険性も出てくる。
 現在、多くのロサンゼルス市民がこうした建物内で働いているため、犠牲者を出さないためにも大地震が発生する前に補強工事を推奨する必要があると同市長は訴える。
 市長は今回の提案で、木像建造物は今後5年以内に、コンクリートの建物は30年以内に補強することを推奨している。
 カリフォルニア州ではこれまでのところ、こうした耐震性能を強化するための計画を実施している自治体はないという。補強工事が行われると、大きなオフィスビルや住宅の場合はおよそ100万ドル、中規模の木造アパートの場合は6万から13万ドルほどの費用がかかるとされる。
 被害を最小限に食い止めるため、市長はさらに、日本の東日本大震災で一部の地域で通信機能が麻痺したことを受け、太陽光発電を利用した緊急時の無線インターネット通信の導入も検討している。今回の提案では災害時に住民がこうした機能を利用できるようシステム作りの構築も組み込まれている。

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