長引くカリフォルニア州の水不足を受け、同州のジェリー・ブラウン知事は1日、住民に対し25%の節水を義務付けると発表した。州全域で節水を義務付けるのは初めてとなる。

 今回の節水措置は加州全域のおよそ4千万人の住民が対象となる。米地質調査機関によると、加州では住民1人あたり平均して1日181ガロンの水を使用しているという。
 今後、住民には水の使用量が少ない洗濯機や食洗機への買い替えを促す奨励金制度が導入されるほか、毎日大量の水が使用される学校のキャンパスやゴルフ場、墓地、大規模な庭園がある施設などにも節水が義務づけられる。
 水を供給する各自治体の水道局には節水への具体的対応策をとるよう求める。
 すでに水の使用を減らしている農家は対象外となるが、水の使用量を当局に報告しなければならない。
 これらの措置に従わなかった場合、違反者には警告状を出し、罰金を科すこともあり得るという。
 さらに同知事は水不足対策として、州内の約460万平方メートルの芝生を干ばつに強い植物に植え替えるよう指示した。
 ロングビーチ市在住のキャサリン・ラスコーニさんは2年ほど前、節水対策の一環で同市から3千ドルの奨励金を受け取り、自宅の庭の植物を水分が少ない状態でも育つサボテンなどの砂漠植物に植え替えた。近隣住民も同様の措置をとっているという。
 加州の干ばつは今年で4年目を迎え、事態は深刻化している。加州の水源の約3分の1を賄っているシエラネバダ山脈には1日の時点で積雪が観測されていない。各地の川や貯水池でも水位は過去最低水準まで下がっている。
 同知事は昨年1月、干ばつの長期化を受けて非常事態を宣言。20%の節水目標を設定し、住民に協力を求めてきた。しかし、事態の悪化を受け、今回の強制措置に踏み切った。
 同知事は先月にも、レストランなどで客が要求しない限り飲み水を提供することを禁止するほか、洗濯で大量の水を使用するホテルなどの宿泊施設に対し、利用客にタオルなどの再利用を促すなど環境に配慮した取り組みを求める新たな節水策を提案していた。
 干ばつに悩まされているのは加州だけでなく、隣のネバダ州タホ湖周辺の積雪量は平年の3%まで減少。先月31日には同州北西部の都市リノ市と同市の東方に位置するスパークス市の水道局に対し、利用者に水の使用を10パーセント抑えるよう呼び掛ける対策をとったばかり。テキサス州では州の半分以上の地域で干ばつが起きている。

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