現在、カリフォルニアでは長年の雨不足で節水を義務付けられている。その義務の徹底化のために大金をつぎ込んでいるようだが、その費用の一部で「水工場」の建設はできないものだろうか。
 もう何十年も前にすでに子供用の科学雑誌で、アフリカの「砂漠緑化」のために水プラントを建設し海水から真水を作り出す、いわば「水工場」を建造するという特集があった。
 現在実用化されているこの「海水淡水化」には主に2方式が使用されている。
 一つは海水の蒸留方式。海水を熱してできた水蒸気を冷やして淡水にするため、海水の質は問わないが蒸発させるためのエネルギー効率が悪いらしい。火力発電などではタービンを回すのに蒸気を使用するため、使用済み蒸気を冷却すれば真水ができる。というわけで、石油の豊富な国にある「水工場」は製油所や火力発電所の近くに併設されることが多いという。
 あと一つは、「逆浸透法」と呼ばれる濾過作用のある特殊な薄い膜に高圧力で海水を通し、淡水を濾過抽出する方法。エネルギー効率はいいが微生物や目詰まりするゴミの除去などにいろいろな前処理や施設が必要らしい。
 どちらの方法も完全な真水ではなく不純物が混ざっているため飲料にするにはさらに処理が必要らしいが、いったん貯水池に溜め、あとは現在ある水の処理場を利用すればいい。
 現在福岡には供給量日量5万トンの逆浸透法のプラント「まみずピア」があるそうな。ここでは真水をとった後の(前処理がされているために非常にきれいな)塩度2倍の海水は下水処理水と混ぜて海水濃度にして海に返したり、製塩に再利用されているという。「自然や生物体系に影響がない方法を研究しており、環境に優しい」とホームページで説明している。高圧力を作り出すポンプの動力源は電力。使用済みの高圧力水流で発電用タービンをまわし、ポンプ用の電力の一部として再利用するため電気代も少なくてすむようだ。
 もちろん節水は大事だ。幸い加州は海岸沿い。今後のためにも現在稼働している各国のこのようなプラントをもっと研究し、加州でも利用するべきだと思うがいかがだろう。【徳永憲治】

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