5人が一緒になって歌を披露した。左から3番目はラーセン会長
第22回目を迎えた今年の「秋の民謡・民舞ショー」では、踊りでは豊春会、豊渕会、寿の会、菊田会の4グループ、歌と楽器の民謡では松前会と竹嶺会の2グループが参加した。50周年記念公演を控えた松豊会が不参加だったのは惜しまれる。
ラーセン会長が所属する歌と楽器を合わせた地方(じかた)のグループ、竹嶺会は三味線や笛などと唄が披露され、大分県の「関の鯛釣り唄」では5人が一緒になって歌を披露した。最後には参加した6団体がすべてステージにあがり、福岡県伝統の民謡の炭坑節を踊って、歌って、演奏して会場は陽気な雰囲気につつまれた。
この「踊って、歌って、演奏して」のスタイル。これはまさに会長となって2年目を迎えたラーセンさんが理想とするもので、これから南加民謡協会として追求して取り組んでいきたいことなのだという。
ラーセン会長は「去年、東京に行ったとき、民謡の曲が生で演奏される中で盆踊りが行われていていました。ブラスバンドの演奏もありました。すごく色々なことが可能になってきたんだなと感じたのです。音楽っていうのは音を楽しむって書きますよね。それに踊りが入ると何十倍に楽しい。それが私にはよく分かってきたのです。今まで踊りのことは何も知りませんでした。もうただ三味線ひいて歌えば、それで民謡だと思ってきたのですが、もっと楽しいのは踊りも入ることなんだって。うちの孫たちが盆踊りが大好きで、週に2、3回はロングビーチから盆踊りの練習のためにウエストLAの仏教会まで行くんです。私もそのお付き合いで踊っているうちに、ああ、こんな楽しいものもあったし、みんな盆踊り好きなんだなあとあらためて感じました。踊るための音楽がレコードだったり、テープだったりするのは当然のことなんですが、そうじゃないのもあるんだよっていう形をこれから伝えていきたいです。太鼓は実際に叩いていらっしゃるから、太鼓だけじゃなくて笛も、尺八も、そして三味線も一緒にやって歌も実際の歌手の方が歌ったらもっと楽しいかもしれない。それを私は夢に描いています。今参加している団体は南カリフォルニアの色々なところ、サンデエゴやガーデナ、ウエストロサンゼルスの方もある。それをまとめて一緒に練習しながらショーにもっていく努力をするのは、時間とか場所とかいろいろな制限もあってかなり大変なので、まだ実現していません。先生たちの中にはそういう新しいことに積極性を示してくださらない方々もいるかもしれませんが、それでもやっぱり、やらないよりはやった方がいいと思うんです。これからは、いろんな団体と相談してうまくコラボレーションをしながら新しいことにチャレンジしていきたいと思います。もちろん伝統を大切にしながら」と熱い思いを語った。
