
茶道裏千家淡交会ロサンゼルス協会(金井紀年会長)は10日、小東京のダブルツリー・ヒルトンで新年最初の茶会「初点式」を開催した。色鮮やかな着物に身を包んだ来賓や各社中の教授陣、生徒らが出席し、新春の一服を堪能するとともに、同協会の今後のさらなる発展を願った。
床には坐忘斎家元筆の「老松千年色」が掛けられ、青竹一重切の花入に結柳と季節の花が生けられた。また正月にふさわしく、菓子はちからもち製の花びら餅が振る舞われた。
正客は堀之内サビーン総領事夫人、次客に南加日系商工会議所のグレース柴上級副会頭、三客に裏千家淡交会オレンジカウンティー協会の半田俊夫会長、四客に裏千家淡交会ロサンゼルス協会のグレン・ウェブ名誉会長、五客に裏千家今日庵の松本宗静参事、詰に裏千家淡交会オレンジカウンティー協会の小泉宗由相談役が着席した。
余興では大和楽USA堅田喜巳扇社中と鹿子畑翔士(笛)が大和楽「松」と「寿」を披露した。
同協会にとって昨年は記念に残る1年となった。5月には裏千家15代家元、現在は大宗匠の千玄室氏がロサンゼルスを訪問。戦後70年を記念してロサンゼルス郡立美術館(LACMA)で平和祈念献茶式と講演会が行われた。同時にLACMAでは「楽焼展」も開催され、当地ロサンゼルスの人々が茶道文化に触れる貴重な機会となった。
また裏千家淡交会オレンジカウンティー協会の小泉宗由相談役が戦後70年記念外務大臣表彰を受賞。半世紀にわたり当地で茶道文化の普及に貢献したことが認められ、同協会関係者にとって喜びにあふれる一年となった。
堀之内サビーン総領事夫人は、「新たな年を迎え、同協会が裏千家のシンボルマークのイチョウの葉のように、末広がり、ますます発展していくことを願います」と流暢な日本語で述べ、新年を祝した。
64年にわたり当地で茶道文化の発展に尽力してきた裏千家今日庵の松本宗静参事は、95歳とは思えぬ元気な様子でこれまでの同協会の活動を振り返り、会場に集まった人々の茶道を学ぶ真しな姿勢をたたえ、活動を支えるみなに感謝の言葉を述べた。【吉田純子、写真も】