民主党の指名候補を確実にし、支援者を前に演説するクリントン氏=6日、ロングビーチ
民主党の指名候補を確実にし、支援者を前に演説するクリントン氏=6日、ロングビーチ

 大統領選の民主党指名候補争いで、ヒラリー・クリントン前国務長官(68)が指名獲得に必要な過半数の代議員数を獲得し指名を確実にした。大票田カリフォルニア州のほか5州の予備選・党員集会を翌日に控えた6日、クリントン氏は南カリフォルニア地区を訪れ、各地で集会に参加。支援者を前に演説し、支持を訴えた。【吉田純子、写真も】

 クリントン氏は代議員4765人のうち、指名に必要な過半数にあたる2383人を獲得。5日に米自治領プエルトリコで行われた予備選で勝利し、獲得代議員数が過半数まであとわずかとなっていたが、6日に特別代議員からの支持を得て過半数に到達。これにより女性として初めて、大統領候補指名を受けることになった。

ロングビーチ市のロバート・ガルシア市長(左)から歓迎を受けるクリントン氏
ロングビーチ市のロバート・ガルシア市長(左)から歓迎を受けるクリントン氏
 7日の民主党の予備選・党員集会は加州のほか、ニューメキシコ、モンタナ、サウスダコタ、ノースダコタ、ニュージャージーの5州で実施された。加州に割り当てられた代議員数は475人、6州で700人近くの代議員が割り当てられている。
 6日午後、ロングビーチ市のロングビーチ・シティカレッジで行われた集会に参加したクリントン氏は、指名確実の報道を受け、大勢の支援者を前に「われわれは今、歴史的な瞬間を迎えている」と演説。7日の投票をふまえ、「われわれにはまだやらなければならないことがある。明日、カリフォルニアをはじめ6州で行われる投票が残っている。われわれは最後まで戦い抜く」と話した。また共和党の指名を確実にした不動産王ドナルド・トランプ氏(69)に対しては「トランプ氏を倒す」と意気込んだ。
 対抗馬のバーニー・サンダース上院議員(74)は、公立大学の授業料無償化などを掲げ、若者を中心に支持を集めている。ロサンゼルス・タイムズ紙が3日に発表した世論調査によると、サンダース氏とクリントン氏の支持率は44%対43%でサンダース氏がクリントン氏を1ポイントリード。かねてから加州では接戦が予想されていた。
 クリントン氏の指名が確実となったが、これまでのところサンダース氏は最後まで戦う姿勢を示している。
集会の会場前でクリントン陣営のロゴがプリントされたTシャツを販売する支援者たち
集会の会場前でクリントン陣営のロゴがプリントされたTシャツを販売する支援者たち
 この日、クリントン氏はロングビーチのほか南加地区3カ所で開催された集会に参加。夜には歌手のスティービー・ワンダーやクリスティーナ・アギレラなど同氏を支援するハリウッドの著名人が参加するコンサートにも登場し投票を呼び掛けた。
 一方、サンダース氏は北カリフォルニアで支援集会に参加していた。
 ロングビーチ市での集会に参加していた同市在住のキャシー・トゥリアシーさんは、「クリントン氏は外交問題、世界経済にも熟知しており、候補者の中でもっとも大統領にふさわしい人物だと思う」と話していた。

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