大統領選に向けた民主、共和両党の予備選が7日に行われ、民主党はヒラリー・クリントン前国務長官(68)が大票田カリフォルニア州ほか3州を制した。対立候補のバーニー・サンダース上院議員(74)は2州で勝利。同日夜、サンタモニカで行われた集会に参加したサンダース氏は「戦いは続いていく」と述べ、今後も選挙戦を続ける意向を示した。【吉田純子、写真も】
クリントン氏はこの日、加州のほかニュージャージー、ニューメキシコ、サウスダコタの3州で行われた予備選で勝利。すでに指名獲得に必要な代議員数を獲得し、指名を確実にしている。
サンダース氏は公立大学の授業料無償化のほか、格差是正、最低賃金の引き上げなどを掲げ、若者やリベラル層を中心に熱い支持を受けている。全米最大の代議員数の加州では、サンダース氏の支持者も多く、かねてから両氏の接戦が予想されていた。
AP通信によると、92%の開票が終了した時点での得票率は、クリントン氏が56%、対するサンダース氏が43%となった。クリントン氏は地元ニューヨークで行われた集会に参加し、「米国史上初めて女性が主要政党の大統領候補になる」と演説し、勝利宣言をした。
サンタモニカで行われた集会に参加したサンダース氏は、クリントン氏の勝利を祝福。そして支援者らを前に「社会、経済、人種、正義のためのわれわれの戦いはフィラデルフィアまで続く」と演説し、14日にワシントンDCで行われる最終戦、そして7月にペンシルベニア州フィラデルフィアで行われる全国党大会まで選挙戦を続けることを明言し、撤退しない姿勢を示した。
投票が締め切られた後、オマバ大統領は両氏と電話で話し、今回の選挙戦での健闘をたたえたという。ホワイトハウスによると、サンダース氏からの要望を受け、大統領は9日に同氏と面会する予定だという。
一方、共和党は、指名を確実にしている実業家のドナルド・トランプ氏(69)が加州ほか全5州で勝利した。