夜空を彩る独立記念日の打ち上げ花火。240歳の誕生日を祝って華麗に咲く大輪を見上げて人びとは歓声を上げ、本格的な夏を迎えた。
昨今は、地球の温暖化が喧伝されているせいか、南カリフォルニアはすでに先月、今年最初のヒートウエーブ(熱波)に襲われ、カ氏100度(セ氏で約38度)を超える高温を記録。ある人は、「こう暑くちゃ北極の氷も解け、溺れるシロクマもいるようだ」とか、「氷が解けて海面が上昇し、南太平洋の環礁国ツバルなどは水没の危機にさらされている」と真顔で心配する。
だが、ちょっと待った。北極の氷が解けても海の水位は変化しない。理科の時間に誰でも習ったアルキメデスの原理を思い浮かべれば、海面は同じ水位を保つことが分かる。それよりか、長~い視点で考えると、地球は今、温暖化どころか第2氷河期の真っただ中にあると専門家は言う。
私たちは、生まれた時から北極、南極、さらに高い山々には一年を通して雪や氷があるのを見てきているので、それが当たり前だと思っているだけ。本当は地球46億年の歴史の中で、夏期でも両極が凍っている時代は珍しいことなのだという。
氷河期という言葉は、今では「就職氷河期」のように使われることが多く、不況期の職探しだけでなく結婚や入試など物事が非常に困難な状況にあることを指す場合が多い。しかし、シベリアの永久凍土から氷づけ状態で発見されたマンモスの例を出すまでもなく、すべての動植物を死滅させてしまうほど極寒の氷河期を連想すれば、ビックリ仰天。地球温暖化がウソっぽく思えてくる。
世界195カ国の科学者830人が参加して地球温暖化問題を考える国連組織「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告書にも、このままいくと西暦5000年ごろにはカリフォルニア州や日本などの温帯地域はすっぽり氷に覆われてしまうという予測さえある。
人間は長い間、正しいと信じて疑わなかったことが、実は間違いだったということが往々にしてある。その好例は天動説だろう。愚昧な筆者など、今でも日の出日の入りを観察していると、どうしても太陽が動いているように思ってしまうほどなのだから…。【石原 嵩】