大学アメフトシーズンが大詰めだ。全米一を決める4校選出がまもなく(12月4日の日曜日)発表される。2014年から始まった新たなCollege Football Playoff(CFP)だ。最終ランキングのトップ4校が12月31日にPeach Bowl(ジョージア州アトランタ市)とFiesta Bowl(アリゾナ州グレンデール市)で準決勝を争う。Rose、Sugar、Orange、Cottonを含めた6大Bowlが毎年ローテーションし、ランキング1位対4位、2位対3位の2試合が組まれる。
今回は2017年1月9日にフロリダ州のタンパで決勝戦を行うが、スーパーボウルや大学バスケのファイナル4(準決勝&決勝戦)のように開催地をビッドさせ、盛大なイベントを演出する。スタジアムの収容規模を最低6万5千人以上という条件で、毎年異なる場所で月曜日に開催する。
自分が留学した30年前、アメリカ人の友達の家庭で初めて年末年始を過ごしたが、連日アメフトTV番組ばかりで衝撃を受けた思い出がある。なぜこんなにアメフトが好きなのだろうか?
当時は各コンファレンスのトップ同士が正月に戦う、例えばPac10(現Pac12、UCLA、USCなどの西海岸のチーム)とBig10(ミシガン、オハイオ州立などの中西部のチーム)がローズボウルで対決などがメインイベントであった。その後20年前ごろからランキングトップ2チーム同士で全米一を決めるシステムが始まった。そして今回のトップ4での争いだ。
学業義務がある学生選手たちの試合数が増えていくジレンマもあるが、ファンが楽しんで納得できるようなシステムを改善し続けていく方針に感銘さえ受ける。現在、チーム選考委員はフェアになるように各コンファレンスから体育局長を含めた総13名で形成される。
昨年はこのシリーズで5億ドルの総収入があり、前年に比べ2億ドル増加を記録した。これまでの決勝戦はケーブルTVで記録的な視聴率を誇る。NFL(プロのアメフト)のように、プレイオフのフォーマットが成功。ちなみに2012 年にESPNが既に73億ドルで12年間の放映権を買収した。ESPNの親会社はウォルト・ディズニーである。一番の勝者かもしれない。
【長土居政史】