安倍首相が表明した年末の真珠湾訪問に対し、総領事は「安倍首相は(犠牲者に)敬意を表し、戦争の惨禍を繰り返さないという誓いを新たにするものである」と説明した。首相はまた、米次期大統領と会談した最初の世界のリーダーであるとし「日米同盟が、(アジア太平洋)地域の平和の防波堤であり続けることに強い希望を持っている」と語った。
総領事は、今年の地元の前向きな出来事として、ゴーフォーブローク全米教育センターの開設、ポモナ・アセンブリー・センターへの記念碑の設置、ツナ・キャニヨン日系人抑留所に関する巡回展の開始、提携する日米の姉妹都市では、フェニックス—姫路の40周年、サンタバーバラ—鳥羽の50周年、友好提携でサンディエゴ—横浜の60周年、三船敏郎のハリウッド殿堂「ウォーク・オブ・フェイム」入りなどを挙げた。
来年は武道館の起工、日米文化会館の日本料理文化センター開設などを控え「コミュニティーには見どころが、たくさんある」と話した。ジャパン・ハウスについては「今まで体験したことのない日本を見て、聞いて、感じて、味わってほしい」と呼びかけ、「皆さんが2017年を迎えるにあたり、ホリデーシーズンと、新年の酉年のご多幸を祈ります」と述べ、あいさつを締めくくった。
レセプションには、日米の橋渡し役を務める多くの親日家が顔をそろえた。日本で外国語指導助手などの任務を終えた帰国者で組織する「米国JET同窓会協会」の南カリフォルニア・アリゾナ支部の共同支部長、ケリー・リッチさんは「われわれは、日本政府を支援し、日本とアメリカの未来のために活動している」と胸を張る。
リッチさんは先月、東京で開催され19カ国から集まった同協会の設立30周年記念式典に出席したという。皇太子ご夫妻が参加され、皇太子さまから「卒業生のみなさまが各国で活躍し、日本との懸け橋となっていることを心強く思います」と、誉められ「とてもうれしかった。これからの活動の励みになった」と述べた。リッチさんは、天皇の生前退位を支持し「皇太子さまと公務を分担し、徐々に負担を減らせばいいのでは」と気遣い「皇太子さまなら、陛下の後を立派に継ぐことができると確信する」と述べた。
富士宮との提携で調印をした当時の市長で「ミスター・サンタモニカ」こと、ナット・トリベスさんは「40年以上もいい関係が続き、本当にうれしい。子どもたちが互いを知り、文化と言語、考えを交換することは、すばらしい。この親密な関係がいつまでも続くように、絆を強めたい」と述べた。【永田潤、写真も】