「新しく企画が上がった時に大切なのは、そのブースを仕切る人がいるか、手伝う人数が集まるか。内容よりも人の手があるかどうかで決まる」こう語るのは住職の小島秀明さん。「所属団体を多く持ち、たくさんのボランティア数が確保できる他のお寺と比べると、禅宗寺はかなりゲリラ的です」と表現する。「人員があれば企画が通る。逆に人がいなければ、長く続くブースでもあっさりやめてしまう」この柔軟性が規模の小さいお盆行事を継続させる鍵だとする。
ほかに来場者が列を作るのは、かき氷やそうめんなどの夏メニュー。昨年デビューし、早くも看板メニューになりつつある「そうめん」は今年のような猛暑でもつるりと食べられ、大人にも子どもにも大人気だった。
醤油ベースの焼きトウモロコシ、前述のすしやおはぎ、チキン・ビーフテリヤキなどは日本の味に近く「おいしい」と評判。
近年の運営資金集めでは、禅宗寺の婦人会、座禅会、寺子屋、少林寺拳法、禅エアロビクス、禅太鼓などに加え、外部団体であるLA合気道センターが大きく貢献しているとのこと。力仕事の多いお盆でも彼らの力は欠かせない。
日本での「檀家」にあたる同寺院メンバーには日本人が多く在籍する。そのため境内では日英両語が公用語になっており、看板にも日本語の英語表記が目立つ。渡米したばかりの人たちが日本の夏祭りを懐かしみ、この寺のお盆にやってくる光景も時折目にする。
西本願寺のお盆と同時開催で来場者を得る方法は今後も続ける。
今年も坂東秀十美師率いる社中を先頭に盆踊りが繰り広げられた。「炭坑節」「達磨音頭」「1+1の音頭」などの曲に合わせ、参加者は汗をかきながら夕暮れまで楽しく踊り続けた。 【麻生美重、写真も】