最近、インスタグラムなどのソーシャルメディアで、ウミガメの鼻に突き刺さったプラスチック製ストローを獣医らが取り除いている動画や、ゴミで埋まった世界各地の海岸の写真などが拡散している。
深刻化する海洋汚染のニュースが頻繁に取り上げられている昨今、取り組みとしてプラスチック製ストローの提供を停止すると発表する企業も増えてきている。
今月、コーヒーチェーン大手スターバックスや米国のディズニーランドもプラスチック製ストローの使用を全廃すると発表した。
ロサンゼルス市からも近い海とサーフィンの町マリブでも、海岸近くにたまるゴミがかねてから問題視されており、ストローだけでなくプラスチック製のフォーク、ナイフなどの提供も禁じる条例が6月に施行された。
先日マリブのレストランに行くとやはりプラスチック製ストローは使用されていなかった。代わりに使われていたのは紙製ストロー。紙とはいえもちろん飲み物が染みたり溢れてくることもなく丈夫。その上青と白の模様でなんだがおしゃれ。使い心地も全く悪くない。
米国のプラスチック製ストローの1日の消費量はおよそ5億本。全世界では10億本以上といわれている。米科学者が米国の海岸で採取されたごみを5年間にわたって調査した結果、推計750万本のプラスチック製ストローが海岸に捨てられたままになっていたという。
ここで気になるのがコストだ。プラスチック製ストローの約0・5セントに対して紙製は1・5セント。確かにコストは高いが、紙製ストローには印刷ができることから広告が期待できるという見方も出ている。企業ロゴなどをデザインし広告宣伝につなげられれば1・5セントも高くないはずだ。
消費社会として知られるアメリカ。使い捨ての物をどんどん捨てていくイメージがあったが、今では環境に配慮した取り組みも盛ん。かつてのイメージが少しずつ覆されつつあるようだ。
以前、日本で自分専用の箸を持ち歩く「マイ箸」が普及していたそうだが、米国でも「マイストロー」、「マイフォーク」を持ち歩く習慣が定着する日がくるかもしれない。【吉田純子】