物を捨てられず、ゴミ屋敷になるまで貯め込んでしまうホーダー(hoarder)。 ちょっと聞き慣れない名前だが日本語では「脅迫制貯蔵症」。多くの場合ファストフード、スーパーなどの食品容器や缶などの使い捨ての入れ物、99セントストアなどの低価格商品、古新聞や雑誌など無価値に等しいガラクタで部屋や家中を埋め尽くす。あげくの果ては溢れ出る。ダンボール箱や包装紙なども含まれるので、火災が起きれば一大事になり安全にも大きく関わる。
物にかぎらず多数のペットを飼う動物ホーダーもいる。猫を数十匹飼っていて、中には病気になっていてもそのまま放置されていたりと、衛生上の問題を抱えているケースが多い。
他人には無用でも当人には宝の品々。いつか使うと思って取って置く。買った物を開けもせずに積み上げていくホーダーもいるので、必ずしもガラクタに限らない。
いずれの場合も時間の経過とともに貯まっていき、手に負えなくなり放置する。家族はもち論、近所にも迷惑が及ぶと、自治体による強制撤去もある。
ホーダー的心理は多数の人が共有していて、自分にも思い当たる節がある。60年代前半までに生まれた日本人の多くは、物を大切に壊れるまで使えと子供の頃に言われて育っているので、ホーダー予備軍なのかもしれない。さらに最近の使い捨て容器やパッケージなどは良くできていて、一回の使用では壊れにくい。捨てるにはもったいない物が多く収集を助長する。物を大切にすることは今でも美徳だが、住んでいる家やアパートに寝る場所がなくなるまで物で埋め尽くし、家が壊れても貯めるほどになったらホーダーだ。
ホーダーは精神障害の一種で、なってしまう原因は人によってまちまちのようだ。幼年期に大切にしていたタオルや人形を捨てられてしまったことがトラウマになり、それが原因で、ある時期に始まったり、親など近い人との死別や離婚が引き金になるなど、精神的ショックが引き金になる場合も多いが、はっきりと解明できないケースが多い。
ウチ? …カミさんが何でもすぐポイポイ捨てちゃうんで、その反動だと思うな〜!?【清水一路】