エルマリノ・ランゲージスクール(生徒数840人)は、公立の小学校として開校、運営され、1994年からはスペイン語と日本語の両イマージョンプログラム(他言語を媒体とし、英語以外の教科をカリフォルニア州の指導要領に沿って教える)を持つ。
「エルマリノ―奄美ワイド節友好交流会」と題したイベントは、保護者も巻き込み、生徒が和やかに交流した。
あいさつに立った織田教諭は、「新さんに声をかけてもらい交流が実現した。これが最初で最後にしないように、これからもどんどん続けていきたい」と抱負を述べた。「今日はエルマリノの生徒と保護者、学校を挙げての歓迎、おもてなしの会なので、楽しく積極的に交流してほしい」と呼びかけた。
織田学級の生徒の代表が授業で習ったきれいな日本語で「これからワイド節を踊ります。みなさまの前で踊るのは緊張しますが、うれしいです」とあいさつし、生徒全員が「楽しんで下さい」と、声を合わせ踊りがスタート。奄美の生徒も加わって心を通わせ、交流会は最高潮に達した。
「視野を広げたい」と応募した伊集院理沙子さんは、相手生徒とふれ合い「あんなに小さな子供たちが、発音よく英語を喋っていて感動した。礼儀も正しかった」と感心する。
野田翔太郎さんは「自分たちの住んでいる島のことを勉強し、踊りも踊ってくれて、とてもうれしい。そして自分たちの言葉を知ってくれているので、うれしく親近感が湧いた」。交流を満喫し「自分たちの伝統の踊りを一緒に踊って、最初は信じられなかったけど、踊るうちに海外でも楽しめることを実感した。とても歓迎されて、期待以上だった」と喜んだ。「この経験を生かして将来、日本と外国との懸け橋になれればいい」と抱負を述べた。
生徒の交流を見守った新さんは「一緒に踊っていい交流ができた。この経験を糧に、生徒には将来の奄美市を担える人材に育ってほしい」と期待を寄せた。
織田教諭は、奄美で過ごした新任時代を「島のみなさんの義理人情に包まれ、楽しく本当にいい思いをした。熱いおもてなし、友情に感銘を受けた」と振り返りながら、「渡米して常日頃から奄美と故郷鹿児島のために何かできないか、と考えていた」と話した。交流会が成功し「20年越しの希望が今日、ようやく実現した」と、感慨深げに述べ、日米の懸け橋役にさらなる意欲を示した。【永田潤、写真も】