現在JANMで開催されている特別展「頑張って! 生き抜く精神のレガシー(Gambatte! Legacy of an Enduring Spirit)」

写真を通して伝える日系人の今昔
強制収容時と近影を展示

 小東京にある全米日系人博物館(JANM)で11月17日から19年4月28日まで、特別展「頑張って! 生き抜く精神のレガシー(Gambatte! Legacy of an Enduring Spirit)」が開催されている。第二次世界大戦中に強制収容された日系人と、彼らの近年の姿を写した写真が展示され、日系人がたどった歴史と彼らにまつわる物語を写真を通して知ることができる。18日には来米していた福田康夫元総理も見学。日系人の苦難と努力に共感を寄せた。【写真=吉田純子】

 第二次世界大戦中の日系人の写真はドロシア・ラングやアンセル・アダムスといった著名写真家が撮影。横にはピューリッツァー賞受賞フォトジャーナリストのポール・キタガキ・ジュニアが撮影した近年の日系人の姿を写した写真が飾られ、日系人の今と昔を伝える。2枚の写真に写る被写体は、時代は異なるが同一人物、または直系の子孫だ。
 キタガキ氏は1970年代後半に、42年にタンフォラン集合所(仮収容所)へと送られていくバスを待っていた彼の家族の写真がラング氏によって撮影されたことを知る。その後、同氏はこうした収容所時代の写真に写った人々が誰であるかを調べ、その人物を見つけ出し、彼らの写真を撮影し続けている。


日系人がたどった歴史を伝える写真を鑑賞する来場者
 同氏はこれまでにこうした収容所時代の写真に写る60人以上を見つけ出し、撮影してきた。
 「頑張って」という励ましの言葉を体現するように、展覧会に並ぶ写真は、想像を絶する苦難を生き抜いてきた日系人の強靭さとそのレガシーを今に伝える。
 特別展を鑑賞していた北カリフォルニアのトレイシー在住のブライアン・ミズノさんは「大学時代の友人の写真が展示されており、自分以外の日系人の家族の歴史を知ることができた。私の両親はツールレイクに収容されていたが、両親は収容所にいた時のことをあまり話さなかったので、日系人の歴史を知る良い機会になった」と話した。
 同じくトレイシー在住でこの日ブライアンさんとともに特別展を鑑賞していたいとこのクラーク・ミズノさんは「私が住んでいる地域では日系人の歴史を知る機会が少ないので、こうしてたくさんの日系人の家族の歴史を知ることができてよかった」と話していた。
 18日には来米していた福田康夫元総理も常設展とともに特別展を見学。「大変な苦労をなさったと思いますが、今このように暮らしておられることに安堵します」と日系人の苦難と努力に共感を寄せた。
 特別展に関する詳細はホームページ―
 janm.org/exhibits/gambatte/


友人家族の写真を囲むブライアン・ミズノさん(左)といとこのクラーク・ミズノさん

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